夢うつつ

眠気に、抗わない方が良いこと、睡眠は大事だってこと、知ってるよ。それでもベットに深く沈み込みながら、無意識に眠気に抗う。

それは、夜へのささやかな抵抗。
夜だけが、世界と私の視線が分断される。
朝、昼、夕方、私は私の世界を見つめられていたのに、眠る、私は夢の中にいる、夜だけがじっと私を見つめている。
不公平だ、と思う。
私が知らない間に、夜は私の寝顔を見て、聖母のように微笑んでいるのか、嘲笑うようにケタケタと笑っているのか、濁ったビー玉のような目でただじっと見つめているのか、それを確かめることが出来ない。世界の方が私のことを知っていることが赦さない。

=で結んでよ、>なんて、使わないで。

花は眠るのかなあ。
花は夢を見るのかなぁ。
花は、夜の顔を知っているのだろうか。
世界を全ての時間見つめ続けているのは、花なのでは無いかと思う。
机の上に挿してある数本の花。
オレンジ色の花びらが、夜を越したら、数枚落ちてしまっていた。
ねぇ、どんな話を夜としたの?どうして自分の身体を千切ったの?夜は朝と同じ体温なの?
問いかけが、微睡に溶けた

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