クリスマスの日に、元修道女の部屋で辛ラーメンを啜った話
大学4年生の冬、私はヨーロッパにいた。
フランス、ドイツ、チェコ、オーストリア。
地球の裏側から、この地にやってきたのは、
"本場のクリスマスを体験してみたい"と思ったからだ。
現地では、クリスマスマーケットを巡ったり、地元の人たちのクリスマスパーティーやミサに参加させてもらったりと、非常に濃厚な体験をさせていただいた。ご縁に感謝である。
さあ、きたよ、クリスマス当日。
私はチェコの首都プラハにいた。
泊まっていたのは修道院を改装したホステル。部屋は狭く、少々寒々しく、小さな窓がある。
以前、ここでシスターが寝ていたのだと思うと感慨深い。
思いもしなかった。
昼間だというのに、街は不自然なほどに静まり返っている。
人通りもほぼなく、お店もほとんどやっていない。小さなアジアショップが1軒開いているだけだ。
仕方がないので、そこで辛ラーメンを購入した。ちょっと高かった。
それ以上特にすることもないので、修道院に帰り、元修道女の部屋でずるずる啜った。
本場ヨーロッパでのクリスマスディナー:
・ミネラルウォーター
・辛ラーメン
という結果になった。
案外悪くないかも、とほくそ笑んだ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?