~STORIAのプロボノ活動日記~ 弱い私のクラファン日記
みなさん、こんにちは。認定NPO法人STORIAでプロボノとして活動している池田尚弘です。
今回は、STORIAのプロボノで行ったクラウドファンディング
子どもたちの居場所「サードプレイス」から広がれ“愛情の循環”
について書いてみました。
これは、クラファンの成功物語ではありません。クラファンを通して、私が感じた心の揺れや迷いと、クラファンがたくさんの方に広がっていったことへの感謝の物語です。
~成功させてもらったクラファン~
2023年1月6日に終了したクラファンは、目標金額420万円を大きく上回り、大成功をおさめました。(最終的に538人、606万4千円のご寄付をいただきました!)
私たちは、たくさんの時間を使ってクラファンの準備を進めてきましたし、大変なことがなかったわけではありません。努力もしました。
しかし今、「成功した!」というより、「みなさんに成功させてもらった!」という気持ちになっております。
自力でなく他力で成功したような不思議な感覚さえあります。そんな思いを大切にしながら、私なりにクラファンを振り返りたいと思います。
~最初に決めたこと~
2022年5月。私たちは、クラファンプロジェクトを立ち上げました。
「クラファンをやるのか?やらないのか?」 「何のためにやるのか?」「どのようなクラファンでありたいのか?」
まずは、そうしたことを丁寧に話し合いました。
そして、決めたことがこちらです。
「子どもたちがかわいそうだから」みたいな訴求はやらないということ。
「あたたかい雰囲気を丁寧に説明して輪を広げていく」というコンセプト。
それからは、毎週日曜日に朝6時からのミーティングを重ねていきました。
~私のモヤモヤ:目標金額~
一番、私がモヤモヤしたこと。それは目標金額でした。私は、STORIAの規模感や他団体が行っているクラファンを参考にSTORIAの目標金額を大まかに出しました。目標金額250万円。頑張って300万円。それが適切な目標だと考えました。(足りない分は、助成金で補う計画)
初めてのクラファン挑戦ということもあり、達成しやすい目標で成功体験を積むべきだとも考えました。
しかし、メンバーからは、「サードプレイスに必要な金額である420万円でやるべきだ!」との意見もあり、ここではかなり強めの口調の議論も交わしました。
その後、みんなで話し合いを丁寧に行った末、目標金額は420万円に決定。
「サードプレイスに必要な420万円にチャレンジしたい!」
達成の根拠や裏付けでなく、強い気持ちで決めました。
~強く激しい訴求はしない。あたたかいクラファンを!~
「子どもたちがかわいそう」とか「社会が間違ってる」等はやらない。
「私たちが社会を変える」なんてことも言わない。
遠くの相手に大きな声で叫ぶのでなく、近くにいる人に丁寧にお話しする。
強く激しいクラファンではなく、あたたかく優しいクラファンにしたい。
そんな話し合いもしました。
あくまで、主役は相手の方。相手に自分達の価値観をおしつけるのでなく、相手の価値観を大切にして、フラットな関係で丁寧にSTORIAの活動や想いを伝える。相手を導いたり、コントロールするようなことはしない。
タイトルを「広げる」でなく、「広がれ」としたのも、そんな思いからでした。
しかし、私には不安もありました。
「このやり方で伝わるのか?」 「高い目標を達成できるのか?」
といった不安です。
一方で、目標金額達成より大切なことがあるという根拠のない自信もありました。
~つらくて不安な時に支えになったもの~
11月18日。クラファンがスタート。最初は順調にご寄付が集まりました。
しかし、クラファン開始から10日後から30日後までの20日間くらい、ご寄付は停滞しました。
停滞期間も、プロボノ・スタッフ・代表・理事が協力してイベントを行っていたのですが、なかなかご寄付には結びつかず、つらくて不安な時が続きました。
「やはり、目標金額が高すぎたのでは?」
「もっと強く訴求した方がよいのだろうか?」
弱い私の中には、不安とあきらめが蓄積していきました。
しかし、そんな私にも心の支えがありました。
それは
「チームの仲間の存在」と「これまでにご支援いただいた方々の存在」です。
~チームの仲間の存在~
何かの折に、私が少し不安な気持ちを吐露した時。プロボノ仲間のむらさんに、こんな言葉を掛けてもらいました。
「子どもたちには、失敗も含めて楽しくチャレンジすることを推奨している。だから、私たちが精一杯チャレンジして目標達成しなかったら、大人でもチャレンジや失敗があることを、子どもたちに伝える良い機会になるのではないか!」
チャレンジすれば失敗もあるという当たり前のことに気付かされた瞬間でした。
「何を怯えていたんだ。大人だって失敗していいんだ。」
スッと気持ちが楽になりました。
チームの仲間がいなければ、心がポキポキ折れていたことも多かったと思います。
~これまでにご支援いただいた方々の存在~
もう一つの心の支えは「ご支援いただいた方々の存在」でした。
クラファンに寄せられた応援コメントや、SNSでのシェアや応援を目にするたび、ご支援いただいた方々の存在を感じることができました。
それは、自信がなく不安ばかりの私をどれだけ励ましてくれたか分かりません。
ある方は、クラファンに集まるご支援や応援を毎日Twitterで投稿して応援してくれました。(私は、この方のTweetでクラファンの進捗状況を把握していたくらいです)
目標達成のためには、「あと何人」とか「あと何円」とかも大切なことなのかもしれませんが、今、応援してくれている人ひとりひとりの存在を大切に思い、感謝することが何より大切であることを学ぶこともできました。
~目標金額420万円達成!その後もご寄付は増え続ける~
今だから言えますが、私は目標金額420万円を達成できるとは思っていませんでした。(他のメンバーには内緒にしていましたが・・)
未だに、なぜ達成できたのかはちゃんと理解できておらず、ただただ喜んでいる状態です。
ただ、これだけは自信を持って言えます。
たくさんの方々が協力してくれたのです。
STORIAスタッフのひとりは、個人的にTwitterでクラファン情報を発信し続けてくれました。
そのTwitterをご覧になった、SNS仲間もクラファンにご寄付をしてくれたり、シェアしてくれたり、応援してくれたりしました。
(420万円の目標達成時には、オンライン胴上げの投稿もしてくれました)
ブログでクラファンを紹介してくれた方もいらっしゃいました。
経営大学院の仲間は、「チャリティ忘年会」という企画を立案。とても楽しくステキな会を開催してくれました。
※チャリティ忘年会の詳細については下記をご覧ください。
他にもたくさんの方々が、いろいろな方法で応援をしてくれました。
とてもあたたかくとても心強い応援でした。
そして、その応援の輪は徐々に広がっていったのです。
もちろん、私たちも頑張りました。代表のあやこさんも頑張りました。しかし、クラファン実行者である私たちからは伝わりづらいメッセージを、周りの方が、第三者的・客観的にお話ししてくれたり伝えてくれたことで、共感の輪がどんどん広がっていったように思います。
~クラファンの道~
通常、高い目標に到達しようとする場合、仲間を引き連れて目標に向かって前に進んでいく姿をイメージすると思います。
しかし、今回のクラファンでは、それとは全く違った不思議な感覚がありました。
後ろ向きになって歩いているような感覚です。(※イメージ図参照)
後ろから、たくさんの方々に「こっちだよ」とあたたかく教えてもらいながら、時には手をとって支えてもらいながら、後ろ向きに進んでいるような感じです。
導かれるまま、後ろ向きに進んでいるうちに、気がついたらとても高いところまできていました。私の前には、とてもたくさんの応援してくれる仲間が見えます。そして、その人数はどんどんどんどん増えていきます。
高い目標に到達するためには、計画が大切だと思います。しかし、今回のクラファンでは、自分達の計画通りに到達したというよりは、たくさんの方々にあたたかく導いてもらって、思いもしない高いところまで到達したという感じがありました。
~ありがとうのクラファン~
忘れもしない大晦日。私は、クラファンの応援コメントへの御礼メッセージ係として、iPadで御礼のコメントを返していました。
たくさんのあたたかい応援コメントに囲まれ、ひとりひとりに御礼メッセージをお返しした大晦日は、今までで一番あたたかい大晦日になりました。
そして、ゆく年くる年も始まった24時前。なんと目標金額420万円は達成したのです。私の年越しは、ありがとうの年越しでした。
420万円の達成に全く自信を持てなかった私ですが、誰よりも達成の瞬間を喜んだ自信だけはあります。
子どもたちの居場所「サードプレイス」から広がった“愛情の循環”
STORIAは、新しい世界の新しいスタート地点に立つことができました。
みなさん、本当にありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いいたします。