SF短編小説 「BEAST NOON」2
白い柴犬のバルペスと雪豹のアンシアは爆発があったシールド管理局の方へ向かっている。
シールド管理局:空にあるシールドを24時間体制で管理する機関。これにより太陽光の遮断や雨などを遮断する。管理してるのは夜行性の生き物たちで太陽光を遮断して強制的に24時間夜にしている。
「シールド管理局で爆発、なにがあったんだ。テロだったらまずい事になる」雪豹のアンシアは管理局での爆発の原因を考えていた。
管理局に近づいていくにつれて、だんだんと空気中に煤などが混ざってくる。さらには悲鳴や泣き声、焦げた臭いなどもしてくる。
「アンシア、アンシア」管理局の近くでアンシアを呼ぶ声が聞こえてくる。
「八郎。なにがあった、何故爆発が起きた?」
「アンシア、会えてよかった。頼みがある瓦礫の下に何頭か生き埋めになっている力を貸してくれ。」
「わかった。手伝うが爆発の原因は?」
「アンシアさん」アンシアを追いかけて来たバルペスが言った。
「バルペス!」
「父さん?」
「バルペスお前がここに居ては危ない。何故来た」
「アンシアさんとホーンといた時に爆発が起きて、それで気になってアンシアさんを追ってここまで。」
「白犬すぐに帰るんだ。八郎の言う通りここは危ないすぐに帰れ。」
「下敷きになっている者がいるんでしょ?俺も手伝うよ!」
「危険だって言っただろう、すぐに帰れ。」
バルペスの父、八郎が言うように管理局周辺は火災が発生していて、いつまた爆発が起こるか分からないくらい危険な場所になっているがバルペスはアンシアや父の言う事は聞かない。
「手伝わせてよ!俺はもう大人だ自分の身くらい守れる。危険なのも十分、分かってる。」
「バルペス言う事を聞け!帰るんだ。」
「帰らない手伝う。ダメって言うなら、俺の意志でやる。」
「わかった。手伝え。」父、八郎はバルペスの意志は固く、言って聞かないと思い手伝わせる事にした。
「白犬、俺が瓦礫をどかすから下敷きになっている者を救助しろ。」
「うん、わかった。」
アンシアはバルペスに指示を出した後にバルペス達から少し離れた。
アンシアは深く息を吸い込んだ。
「ヴガアァーー」
アンシアは物凄い雄叫びをあげて、四足獣型から人型へと姿を変えた。本来の雪豹の体長の倍の大きさ、二メートル程へと大きく変化した。
「これがアンシアさんの獣人化。初めて見た。」バルペスはアンシアの変化に驚いていた。
続く。