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20210130_現代の不登校支援に必要なこと(現時点で)

不登校支援に携わって、もう少しで1年が経とうとしています。
この仕事に関わる中で、不登校支援に必要なことってこういうことでは…?という仮説が徐々に固まってきたので、とりあえずメモ程度に残しておきます。

不登校支援に必要なこと

ハード面(施設、人員など)

毎日集える施設→定期的に自宅街に足を運べる施設は必要。その施設の設備については以下に書きます。

施設設備→最低でも3部屋は要るかも。事務室、学習室、遊戯(休憩)室の3部屋。トイレは当然別にある。事務室券応接室でもいいかなと思うけど、個人情報などの機密書類もあるので、ここは基本大人が入る場所。で、学習室と遊戯室を分ける必要は私はあると思ってて、一口に「不登校」と言っても、その状態はバラバラで、まず昼夜逆転を直さないといけない子から、日常生活は問題なくて、とにかく学習進度を維持しないといけない子から、けっこう幅がある。
そういう子ども同士を一律に部屋に入れちゃうと、学習にまだ向き合えない子にとってはプレッシャーになり、学習する子にとっては学習しない子がストレスになる。
なので、部屋を分けて、とりあえず自宅外でゆっくりする場所として遊戯室に通う子と、学習のために学習室を使う子とは別々に支援したほうがいいかな、というのが現在の所感。

人件費と雇用形態→人件費は、やっぱりきちんと一ヶ月は生活できて、雇用されている間は人生設計がきちんと建てられるだけの賃金は払ったほうがいいと思う。現在の多くの施設は、割と教員OBの人の天下り先みたいなことになっていて、年金がもらえるまでのつなぎ機関として成立しているところもあるので、若い人が就職しようと思っても、賃金的に厳しいところはある。(これは不登校支援の場に若い人が必要である現状とミスマッチしているので、改善が必要だと私は考えている)あと、雇用形態が基本的に非正規なので、きちんと正規雇用して継続的に子どもと関係を維持できるような状態を保っておくのが大事だと思う。関わる人間がコロコロ変化するのは、支援を受ける子どもたちにとって有害。なぜかというと、支援者がコロコロ変わると、子どもたちはまた一から信頼関係を構築しなければならず、それは不登校の子どもたちにとっては容易いことではないから。

自由に使えるお金→これは補助金でもなんでも、金銭的に余裕があったほうがいいです…。調理実習なり、遠足なり、なにかアクティビティをしようと思ったときに、潤沢に資金がないとできることも限られてしまうので。

子どもが自由に使える性能の良いパソコン、ゲーム機類の設置→不登校の子ども、というより、現代の子供はみんな基本的にどこかでデジタルゲームに触れている。家でだけデジタルゲームをするより、自宅外でもゲームができるように整備し、ゲーム内の成果を外部の人に見てもらうことも必要だと感じるし、外出の機会を設けることも必要。あとは、デジタルイラストを描く子どももいるし、正直、現代の不登校支援において、デジタルデバイスの設備はかなり必要だと感じる。

ソフト面(職員のマインドとか)

・デジタルデバイスに詳しい職員→これは結構大事で、年配の人だと、そもそも「ゲームは悪」みたいなスタンスで子どもに接するので、それだけで既に子どもにとって害悪。自然に触れさせようとかも悪くないけど、子どものニーズと合ってないと結局信頼関係築けないのでダメ。それよりは、子どもたちの得意なことややりたいことの線上にあるゲームを一緒にやったほうがまだ信頼関係を築きやすいと感じる。今ならエイペックス、フォートナイト、PUBG、荒野行動、とか?それらが一緒にできるスキルか、それらタイトルができるPC,デバイスを導入できるスキルがある職員は必須。

・「学習させよう」とするんじゃなくて、「ゆっくりしてもらおう」という意識がある職員→とにかく今の学校現場、教育現場&それらを経験してきた教員たちは、子どもに「何かをさせよう」という気持ちが強すぎ。いや主体的な学習とかいう観点どこいった?って感じではあるんだけど、とにかく口出しとやたらと「何かをさせる」ことに価値を置きすぎな印象がある。なので、それをやらないだけでもめちゃくちゃ不登校支援の適性があると感じる。子どもがなにかを自由にやること、もしくは「何もしないこと」を許容できるかどうか。許容というより、「何もしなくても、その場を楽しめるか」ということがすごく大事な気がする。

・エンターテイナーになれるか→これはめっちゃ大事。自分が子どもよりも下の立場に立てるか、と言い換えてもいいかも。どれだけ自分が気を使って接したとしても、「大人」という立場を意識的に捨てることができるかどうかで子どもからの接し方は100%変わると思う。子どもは大人からの自分に対する視線に敏感なので、本当に対等なのかとか、ちゃんと自分の話を聞いてくれそうかとか、めちゃくちゃよく見て内心では本当に警戒している。そこを解いて、何かしら話せるようになるまでには、やっぱり時間も必要だけど、子どもが「この人なら…」と思えるような人間にならないといけない。それが私の言葉で言えば「エンターテイナー」であり、「子どもよりも下の立場になれるか」ということだと思う。


今のとこ、この辺りが大事だな~って思ったことかな。
最後の「子どもよりも下の立場に」っていうのは、別に子供に対して甘くなったり叱ったりしないということではなくて、自分ができなくて子どもの得意なことは真面目に教えてもらったり、自分ができないことは素直にできない、っていったりすることかな。
叱るべきときには叱らないといけないんだけど、それは子供にとって不条理な怒りになってしまってはいけないし、そういうラインを見極めるのも、子どもとしっかりコミュニケーション取った上で、「ここぞ」というときにだけ叱るくらいでないと、関係築く前に終わってしまうと思う。

あとは、正直、もっと子どもたちと「ゲーム」する時間増やしてもいいんだけどな~、とは思う。
なにより、義務教育課程が終わったあとに、高校進学を選ばなかった場合、高校進学しても中退、再度不登校になってしまった場合にまた来れる場所として存在し続けないといけないなと思うので、やっぱり私の思う不登校支援の「施設」というのは、リラックスできるカフェみたいな、とまり木みたいな、とりあえず、そこ行ったらなんかホッとできて、まあまたがんばるか~みたいな、なんとなくでも思える場所かなあと思う。

そういう場所を作ることで、まあ、地域活性化的なことも視野に入れていければいいんだろうなとは思うので、やりたいことはもっとめちゃたくさんあるし、本当は資金ももっと稼げるようになれればとは思うんだけど。
あと、正直、学校現場の人たちの頭の硬さもなんとかしていきたい。

とりあえずメモで。


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