見出し画像

「AI 2041」 を読んで

こんにちは。やっと本格的に寒くなってきましたね。今年はインフルエンザもかなり流行っているので、年末年始、これ以上流行らないといいですね。

内容

20年後人工知能が進化した未来を、10本の短編小説の中でどのような未来になり、そして問題点があるかを描写している作品。
それぞれの小説が描く、実現しているであろうテクノロジーが人間の生活にどのように影響を及ぼしているのか、そして人間はそのテクノロジーにどのように対応しているのか、を描き、小説の後にそのテクノロジーについての詳しい説明、考察、分析の記述あり。

AIによって今の職業で40年後にはなくなる職業もあるが、なくならない職業もある。もちろんAIによって新しい職業もたくさん生まれる。

なくならない職業
1創造性

AIは創造、概念化、戦略策定ができない。目標を絞って最適化するのは得意だが、みずから目標を選んだり、創造的に考えることはできない。領域間にまたがって考えることも、常識を適用することもできない。

2共感

共感や同情を感じられない。その感覚を踏まえてやり取りすることができない。そのため相手に、理解されている、大切にされていると感じさせることもできない。この欠点を改善できたとしても、共感や心遣いを求められる分野、いわゆる人間的なサービスを求められる分野で、人間が気持ちよくロボットと交流できるところまで技術を高めるのは至難の業。

3器用さ

手先の器用さや目と手の正確な連携が求められる複雑な身体作業はAIとロボットでは達成できない。未知の空間や構造化されていない空間、とくに過去に見たことのない空間にはAIは対応できない。

具体的な職業について
非社会的で単純作業の仕事、例えば電話による販売業や保険の損害査定人は完全にAIにとってかわられる。
・社会性がとても高いが単純作業の仕事は、人間とAIが協力して得意分野を補い合うだろう。例えば未来の教室では、AIが宿題や試験の採点をこなし、標準的な授業や個別に練習問題を出すところまではやる。一方人間の教師は共感力のある精神的指導者になる。実習で学ばせたり、感情知能を育てるグループ作業を監督したり、個別のカウンセリングやはげましをあたえたりする。
・創造的だが社会性が低い職業では、人間の創造性をAIツールで補助することになる。たとえば科学者はAIツールを使って創薬研究を加速できる。
・創造性も社会的スキルも求められる職業、例えば戦略に知恵を絞る会社の取締役の仕事は人間にしかできない。

AIに仕事を奪われたので、リスキリング、つまり新しい職業の訓練や勉強をする際に、上記のようなAIができないであろう仕事を選ぶことが重要。
AIがその後補完できるような仕事を選んでしまうと、再び仕事をAIに取られてしまう事態となる。

感想

今後普及していく新しいテクノロジーを小説という形で分かりやすく見せてくれる作品。
タイトルにある通り、2021年時点での20年後の未来を描いているが、その後ChatGTPなど大幅なAIの飛躍があったが、すでにこの本では予想しており、また、創薬ですでにAIをつかって候補となるものを絞り込むなど、すでに実現しているテクノロジーもある。
そう考えると、この2041年で描かれた以上の進化を遂げているかもしれない。
小説内で、テクノロジーのいい点、欠点も描かれているが、できれば欠点を補うような更なる進化がとげていればいいな、と思う。
読んでよかった作品です。






いいなと思ったら応援しよう!

manami
よろしければ、サポートお願いします。いただいたサポートは、noteの活動費として使わせていただきます。

この記事が参加している募集