専門商社の経験がスタートアップの事業開発に活きる
スタートアップに転職して2年ほど経ったが、前職の専門商社での経験が活きている。スタートアップには営業として入ったが、どちらかというと技術力がメインの会社であり商売っ気が弱かった。しかし取引している顧客は大手も多かったので、もっと上手に売れば拡大できそうだからそれを自分がやろう、と思って入社を決めた。というのも専門商社ではそれなりに社内外で認められる働きをしていたので何とかできるだろうという自信があった。
1.専門商社時代と転職理由
専門商社ではルート営業部隊に所属しながら、新規獲得営業も注力した。新規の口座開設数は恐らく全社で1番だったと思う。専門商社の新規獲得の面白さは、メーカーと顧客をどう結び付けて商流を確立させるかという、仕組みづくりにある。最初は少なかった取引額が、数年後に億単位まで育てるのは代えがたい充実感と快感があった。(ただし半永久的に達成感はないだろう)
一方で、その専門商社の社風は保守的で、自分のような新規獲得や新しいビジネスモデルの開拓に力を入れている人は少なかった。だから社内で新しいビジネスの話をできる人はほぼいなく、張り合いがなくなっていった。そこで転職を考えた。(ちょうど年号が変わるタイミングで、それが本当にいいきっかけになった)
2.自信の裏付けとなるスキルを自己分析
前出の、転職しても何とかなるだろうという自信があった背景は、①アイディアや構想を組み立てる発想力、②それを社外の取引先にヒアリングしたり相談する行動力、③目的を実現するために必要であれば上席や取引先をいい意味で利用する計算高さ、④社内外の関係者に気持ちよく動いてもらう仕組みづくり・調整力(=総称して個人商店力と定義できるかもしれない)、が様々な経験を通してそれなりに身に付いたところが大きい。さらにこの個人商店力のベースになるのは、相手の立場に立って考えて言動できるコミュニケーション力、業界のニッチなところまでアンテナを張り情報を収集する力、そしてビジネスライクな考え方ができることであると自己分析している。
3.スタートアップの事業開発とは
つまり、スタートアップの事業開発に必要な要素が身に付いていたのだ。業界と会社の取引先との関係性を少し時間をかけて勉強すれば、前職の経験を活かし活躍できる。さらに専門商社という業態のおかげで、財務諸表や請求関係、商流や下請け等の取引パターン、契約書文言の確認などの知識も当然のようにあったこともメリットだった。スタートアップは人が非常に少ないので、同じ役割の人間が複数いないことが当たり前。そういった中で、自分の担当領域は当然ながら、法務や人事やマーケティングなど色々なことを実質的に兼務していかなければならない。つまりそれは経営者目線であることが求められるという事だ。経営者目線で、会社には何が必要でそのために自分がやるのが一番効率がいい業務は何かを考えてやっていく必要がある。スタートアップの事業開発はイコール会社の運命を背負っている。そういう意味でも経営者目線でアンテナを張らないといけないので、専門商社時代に磨かれた個人商店力がスタートアップの事業開発では活きるのである。
一方で個人商店のデメリットはスケール感である。基本的には自分の手が届く範囲になってしまうこと。ここはまさに今がチャレンジで、自分の背丈を超えてスケールする事業開発の進め方を試行錯誤している。誤解を恐れずに言うと実験である。いい意味で、自分が手が届かないところでチームが成長するように仕組みやルールづくりができるかどうか。
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と色々と偉そうなことを書いたが、まだ事業として明確な結果が出ているわけではないので実験中だと考えておかないとプレッシャーが大きすぎてメンタルもたないというのが実情である笑 ある意味これもビジネスライクな考え方をした結果と言えるかもしれない。スタートアップは結構変化が激しいので、考え方の軸を持っておかないと、人が辞めたり資金がなくなってくる度に心が折れてしまう笑
ただ少しずつ今の事業の結果はついてきていて拡大の兆しも見えてきているので、もう少し時間が経てばプロセスも結果も誇れるようになるだろう。いや誇れるようにしたい。
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