【インサイドセールスからCxOへ】THE MODEL型組織を5年経験して見えたISキャリアのススメ
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こんにちは、スタメンでCOOとしてTUNAG事業全体の管掌役員をしている森川です。
このタイトルをつけるのは少し勇気が必要だったのですが、私自身インサイドセールスという仕事にとても可能性を感じているのと約5年の挑戦と失敗を繰り返す中で見えたきたこともあったので、自身のインサイドセールス出身のCOOという比較的珍しいケースを題材にリアルを紐解くことで、世のインサイドセールスのキャリアが広がる一助になればと思ってnoteを書いてみたいと思います。
タイムリーに先日こちらのイベントに登壇をさせていただきました。
そこでたくさんのISの方とお話しさせていただいたのですが、大いに盛り上がったと同時にインサイドセールスのキャリアについての関心の高さと悩みを抱えている方が多いと身をもって感じました。
(ちなみにインサイドセールス組織づくりを実践的に学べる、阿部さん著書の「最高の成果を出し続けるインサイドセールス組織の作り方」は必見です)
ただし私は、インサイドセールスという仕事は本当にキャリアの可能性が無限大で、また得られる経験や能力も多様で非常に魅力的な役割だと思っています。
その結果として、一例ではありますが、スタメングループでは以下のようなキャリアパスを生み出すに至りました。
その中で見えてくるTHE MODEL型組織においてISからどういったキャリアがあるのか、またどのような経験やスキルがキャリアを広げる鍵になるのか、をまとめていきたいと思います。
※THE MODELについては多くの方がご存知かもしれませんが、「なんとなくは理解しているけど、、、」「はじめて聞いた」という方はこちらの書籍をご確認ください。
インサイドセールスこそ事業家であれ
多くのISの方と会話するとインサイドセールスのキャリアといえば、FSやそのままISでマネジメント役割になっていくということが非常に多い回答です。また、ジュニアFSがISからキャリアを始めるというケースも多くあります。
それ自体も素晴らしいキャリアだと思うのですが、果たしてISのキャリアはそれだけなのでしょうか。私自身はこれまでの経験から、インサイドセールスこそ事業責任者や事業をドライブさせるポジションにキャリアを伸ばしていける可能性が大いにあると思っています。
なぜならTHE MODELという協業体制の中のインサイドセールスという役割だからこそ身に付くスキルや経験が事業家に求められるものと類似している点が多くあると感じています。
ただし、それらは日々電話やメールなどを業務として行うだけで得られるものかというとそうではありません。まさにインサイドセールスこそ、「3人のレンガ職人」の話と同様のことが言えると思います。
あなたはただレンガを積むのか、生活のために積むのか、大聖堂を作る意識で積むのか。
あなたはただ電話をするのか、生活のために架電するのか、事業を伸ばすためか。
では具体的にどのような業務やスキルがキャリアの広がりをもたらすかに触れていけたらと思います。
インサイドセールスからキャリアを伸ばすために必要な要素
①全体最適の視点
一番はこの全体最適の視点を養えるかどうかがとても重要だと思います。
上記の通り、どうしても日々業務をしていると架電アクションが○件、商談獲得○件などの個別の業務や指標にだけ目がいってしまいがちですが、すごく勿体無いと思います。
むしろ、「ISは個別最適されている箇所をマーケ・営業にはたらきかけて、全体最適させる部門でもある。」が真価だと思ってます。
さらに言えば広義のインサイドセールスは、職種というより役割に近くて、「部門ごとの過度な個別最適を解消して、売上が上がり続ける仕組み・運用を担うこと」だと考えています。
そういう意味で、最終成果を考えたときに最大出力を生み出すためには、全体最適の視点を持って、いかにマーケ→IS→FS(さらにCS)と洗練されたビジネスオペレーションであるかが重要になってきます。
その中で、隣接する部門の情報にもアクセスしやすいISが、商談獲得でこういうことが起きて、その先のFSではこう進捗するからそのためにはこういったマーケティング施策に注力すべき、だったり、その逆も然りでマーケット環境から、FSに対してこういった商談構成やアサインに設計したいと、働きかけることで、各部門のアウトプットを最大化することが重要な役割だと思っています。
まさに事業の司令塔として、ときにファネルの最適化を行ったり、事業成長の特異点になることが求められます。
また、上記のキャリアパス例でご紹介したIS→グループ会社ビジネス統括役員になったものに、「インサイドセールスに学んだことで今に活きているものって何がある?」と会話していると出てきたのが、「全体最適と個別最適の使い所がわかるようになった」とのことでした。
ビジネス全体を見るようになり、全体最適・部分最適の使い所はISのときと同じだと思ったと言っていました。
それはつまり以下のような、IS内で完結する数値やコントールできる指標に対してのコミットを高めたり高速で改善のサイクルを回すという個別最適を強めることと、FSやマーケなどの指標も含めたファネル改善や俯瞰して歩留まりや課題を捉える全体最適を強めることを、その時々に合わせてチューニングしたり思考を切り替えながら実行していくことだと思います。
このように培った全体視点は事業運営においてや責任者として戦略策定や組織マネジメントを行うための大きな土台になると思います。
②深いインサイトとストーリー構築
上記のような視点を磨くことで新たな気づきや課題を捉えることができるようになってくると思います。とはいえ、視点を持ったとしても実際に他部門を巻き込みながら、実行に落とし込んでいかなければ意味がありません。また、その段階で垣根を越えられず足踏みしてしまうケースがあることもよく知っています。
2つ目に挙げるのはISだからこそ得られる要素でありながら、全体最適を実行に落とし込んでいくために寄与する部分でもあったります。
それは、日々最も多くの自社サービスに対して関心のあるお客様と会話しているからこそ、「どんなインサイトがあるか、どんなペインがあるか、を深いレベルで言語化する」ということです。もちろんどの部門も取り組んでいることですが、ISだからこそ顧客の直接の声を聞くことや前後の流れの中で顧客がどのように行動変容にいたるのかをとても解像度高く捉えるチャンスがあります。
そういった中で単なるフィードバックに留まらず、マーケや営業の戦略立案の領域まで寄与していく一つとして、インサイト集の構築や定性的な情報を定量化して改善につなげる動きはぜひ行って欲しいなと思います。
顧客の口から出た「○○○○」の言葉が、実はそのまま一番潜在顧客のペインを揺さぶるキラーフレーズになることも少なくありません。そしてそういった情報はマーケ部門からしても欲している情報であったり、全体最適をする意味での確かな根拠となり得ることも多いです。
自身が会話する中で、これは言い得て妙だなと思った顧客のフレーズをまとめてみたり、そこに自身の所感やFBを添えたり、はたまたFSの提案軸や反応もまとめてあげると立派な戦略立案のもとになるので、おすすめです。
またこういった取り組みをチーム内に広げていくためには、その動機形成や仕組みも同様に重要とも言えます。そういったフィードバックの称賛をオープンな場で設計することや、ワークショップ的に最初の1歩目を機会設計することで、チーム全体で持続的に取り組める仕組みがとても重要です。
そのようにして得た深いインサイトとそれらを繋ぎ合わせて顧客の行動変容を生むストーリー設計能力はまさに事業をグロースする力に直結すると言えます。
③ビジョンドリブンでのマネジメント経験
上記で伝えた①②を実現するための大前提といっても過言ではないですし、それらの取り組みやマインドをチーム全体で持ち続けること、そして実行力を高めるためにはパーパスドリブンで動く組織構築が重要になります。
最近ではIS組織でのパーパスを策定することも少なくありませんが、まさにIS組織の成果最大化に向き合う中で、培われるのがピープルマネジメントの要素かと思います。
特にIS組織は商談を作るだけ?なんのために?といった状態にメンバーが陥ってしまうこともある中で、インサイドセールスをやる意義を強く意識していくことはとても重要です。
また他部門への理解や投資判断の基準になり得たり、チームが現在取り組んでいる業務以上にバリューを発揮するためには、ビジョンメイクが必要となります。
言わずもがな事業全体のグロースや運営をしたりする中で必要となりますし、特にマネジメント対象がマネージャー→部長→事業部長とあげっていけばいくほど、その必要性は高まります。
だからこそ、不安定になりやすいIS組織でのマネジメント経験はその他の部門やより広範囲にマネジメントを広げた場合にも活きやすい要素だと思います。
インサイドセールスからカスタマーサクセスというキャリア
ここまでで、実際のインサイドセールスで身に付く事業家として必要な素養について触れてきました。キャリアのススメと言いつつ、なぜまず身につけるべき素養をお伝えしたかというとどのキャリアでも同様ですが、その役割で得られるスキルや一定やり切った経験があることが前提であるということです。なので、まずは上記の観点が自身に身につくまではインサイドセールスでの圧倒的な成果と再現性に向き合って欲しいと思います。
では、その上で事業家を目指し次のキャリアの1歩目を選ぶとしたら、結論インサイドセールスからカスタマーサクセスという選択肢はとても良い選択なのではないかと思っています。
なぜなら、CSでその後のサクセスへのロードマップや多くの顧客事例、具体的なプロダクト活用などの、自社サービスが実際の顧客へ価値を届けるHowの部分を知れたり、プロダクト開発的な観点を身につけることができるからです。
そうすることで、ISで潜在顧客に対して課題を顕在化する力や新規マーケットに対する深いインサイト身につけた上で、顕在化した課題を実際にどのようにプロダクトで解決していくのかや新規だけでなく既存の顧客のインサイトも自身の中で集約されていくことでサービスやプロダクト自体の解像度が圧倒的に上がるのです。
ここまで身につけることができれば、ビジネスサイドのどの部門でも活躍できる素養になっているでしょうし、事業責任者や新規事業の立ち上げに対しても、強みを発揮できるようになっていると思います。
そうはいっても、また違う部門に移って新たに学び直すことはとても大変なことだし、長い道のりになるのではないかと思うかも知れませんが、決してゼロベースになるわけではないです。意外と類似して活用できるスキルもあって、それにより活躍しているメンバーもたくさんいたりします。
(インサイドセールスからカスタマーサクセスにキャリアチェンジして、エクスパンションのトップセールスになって、部門MVPに選ばれたメンバーもいます)
この辺は私自身が語るよりまさにそのテーマでnoteリレーを書いてくれたメンバーの記事を貼っておきます。
最後に
本当にインサイドセールスのキャリアは無限大だと思っていますし、もっともっと素敵なモデルケースが増えることを願っていますし、自分自身もメンバーと一緒に創っていかなければと思っています。
スタメンでは、事業家を目指すインサイドセールスを募集しています。
この記事を読んでいただいてご興味をお持ちいただけた方は、まずはカジュアルにでも結構ですので是非ともお話しましょう!よろしくお願いします。