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小説問題不要論
※強い主観がねじ込まれた記事です
こんにちは、こんばんは。
まるへーです。
今まで、こういったコラムを書くときはである調でお話ししていたのですが、あまり強い言い方もどうかなということで、ですます調を使ってみたいと思います。
さて今回ですが、タイトルにもある通り、“小説問題は必要無いのでは?”というテーマで進めて参ります。差し当たって、主に入試で問題にされる文章の種類それぞれの特徴をさらっておきたいと思います。
文章問題の性質
①評論
作者の伝えたい事柄が定まっており、それを軸にした文章構築がされている。作者の用意したテーマが一般論との比較やそれを裏付ける情報の並列を駆使して巧みに強調されている。
②小説
作者の空想や実体験をストーリーにしたもの。登場人物の心象を作者目線で器用に描いているが、一定の推測ができる余裕を読み手に残しているもの。
私の主観も少なからず含まれていますが大方この認識でもおかしくは無いと思います。
その中で強調したいのは太字で示した項目。読み手に推測、考察をさせる自由があるということ。
小説にこういう性質があるのに、問題と解答のような絶対的なもので固定するのはやや不感心だと私は考えます。
小説問題は問題製作者の感想がベース
問題製作者は小説作者の意図に沿った問題作りをしているとみせかけて、一読者としての問題作りをしています。そのほとんどが無意識ではありますが。
さらに言えば、問題製作者と小説作者の意図が一致するか否かは特に問題ありません。問題製作者の感想に従わなければならないことが問題なのです。
「答えは製作者の与えた物のみ」、「私の答えが絶対です」として、是非の二元論になっていること自体、私個人としては如何と感じるところです。
もし、その小説に絶対的な解答があるのなら作者と編纂者しか知り得ないはず。彼らが自分の作品を使って問題を出しているのなら私は喜んで退くでしょう。
小説のロジック
一番気に入らないのは、小説問題を感性を捨ててロジックで解け、なんて言う教育者で、そんな機械的な読み方をさせるために小説を問題化するとは文学を舐めてるのかと言いたくなります。
固定的な答えを用意して人は小説を書かない。
ふとした感覚から衝動的にプロットは生まれ、文字で肉付けされる。それこそが小説です。私はそれを肌で感性を持って味わって欲しいと思います。
文字の羅列をベルトコンベアのように追うだけなら現代文に小説は必要ないでしょう。そんな他の文章でもできることを小説に求めないで欲しい。
確かに小説にロジックは存在します。ですが、読者が読んでいて混乱しないようにする程度のものです。目的地の示されていない地図のような物です。
小説の意義
読書感想文を書いたことはありますか?
夏休みの面倒くさい風物詩と考える方も多いでしょう。殴り書きで提出して怒られたこともあるかもしれませんが、あなたの感想を否定する先生はほとんど居なかったはずです。
指定された本を読むことになる場合は「あなたはこういう考え方なんだね」と、まるで一人一人が違う感想を書いているように言われたのではないでしょうか。
ここに小説の読み方の本質があると私は考えています。
上記の方で、作者の意図と一致する必要はないと言いました。固定化された答えが無いとも。そしてこの読書感想文の例から読み手に与える自由度の高さこそ評論との、あるいは総じて学問と比較しうる小説の特性だと私は思います。
この無限の感想空間から一つに答えを固定すること、それは小説の持つ自由度から生じる個々の感性を否定します。
これは内容的実用性に乏しい小説を読書対象から外す若者の増加に直結しているかもしれません。最近は活字にリソースを割く人が減っているからです。
若い頃から活字に親しむ。そのための国語教育が、高等化するにつれて効率化、解答流動性の否定に傾いて、教育を終えた若者が読書、特に小説を読むことは不必要なことだ。
と言う結論に至っている。そんな拙い推測を私はしてしまっています。これもまた若輩者の感想であることは承知です。また極めて断定的な趣旨の小説があることも理解しています。
しかし、私は読み手にも書き手にも共通する自由を強く推します。
一応の高等教育まで終えた私が仮に、後輩諸君に小説問題を提示するならば、
「読んでみよう、そして自由に感想を書いてみよう」
という、旨だけ伝えます。
よこした感想がどんなものであれ、
「なるほど、君はそう思うんだね」
と言うと思います。
読み方の、捉え方の正しさなんてなんでもいいんです。
読んで、どう思うかが大事なんです。
あなたが読んでいるのですから。
暑。
まるへー