読書感想文「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」

櫻子さんみたいな人間に出会いたかった。

人生をめちゃめちゃにしながら、進むべき道標を示してくれる人間に出してなかったので人生がめちゃめちゃになったが進むべき道に自信がない自分からすれば、櫻子さんはの存在は「渇望」ものだった。僕にとっての櫻子さんはヨルシカで時速36kmでネクライトーキーだけど、それは常に一方通行の片思いで、対話ができたわけではなかった。
違うな、館脇は櫻子さんに大きな影響こそ受けたが、自分で選択した。俺も音楽に大きな影響を受けたから音楽の道に進むが、選択というよりは藁にすがるような感覚だったから、館脇がかなり眩しかった。鴻上の気持ちが痛いほどよく分かるし、だからこそ決めた目標に努力した鴻上も眩しいし、最終話で僕は失明でもしてしまうんじゃないかというぐらい食らってしまった。

そもそも自分がこの小説に出会ったのは小学校六年生のときだった。その頃はまだ未完で、ちょうど最終決戦へ向けての熱量が高まっていく頃だった。
小6でミステリ読むやつがまともに交友関係を築けるわけもなく、館脇みたいな高校生活(死体は見たくないけど)に憧れていた僕は、マジで何もない高校生活に落胆してしまった。特にコロナ禍ということもあって、本当に薄暗い高校生活だった。悲しかった。あれだけ眩しく輝いていた生活はまるでフィクションじゃないか。重度の青春コンプレックスをこじらせたのは、小6でこの小説に出会ってしまったことも理由の一つになるだろう。
4月からの新生活は、やりたいことをやる。館脇より輝いてやるよ。

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