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永遠の太陽

crumbシリーズ2作目は『永遠の太陽』/ crumb001
元々は『Recalling Game』という三作品だったが、
その中の一枚を一作品としてして公開している。

crumbとは、断片やカケラという意味を持つ。私の映像作品は「Fragments of ambiguous memory.」という意思のもとに生み出されている。


この作品は私が千葉の秘境と呼ばれる場所で道に迷ってしまった際に撮影した写真だ。あの日は本当に暑かった、でも太陽が優しかった。

好きな映画の一作に、『Eternal Sunshine of the Spotless Mind』を挙げる。どうしても眠れなくて深夜から観初め、観終えた時には外が明るくなりかけていた。そのまま何かに取り憑かれたように、タバコとスマホとイヤホンだけを持って河川敷に向かった。莫大な後悔や絶望が込み上げてきて、朝の8:00を過ぎた頃まで泣き続けた。鮮明に覚えている。寒くて、苦しくて、過去に戻りたいって何度も思った。映画の二人はどうして幸せになれたのかって何度も考えた。自分はなんでって何度も考えた。ひたすら歩いていた。
過去に戻れるわけがないのに。

『Eternal Sunshine(以下略)』の虜になって、様々なサイトを巡った。
その中で美しい言葉に出会った。

The world forgetting, by the world forgot
Eternal sunshine of the spotless mind
Each pray'r accepted, and each wish resign'd.

- Alexander Pope

幸せは無垢の心に宿る
世界に忘れられ また世界を忘れゆく
曇りなき心に輝く永遠の太陽
祈りは聞き届けられ 願いは放棄される

和訳

寒くて動けなくてどうしようもない私が、新しい「永遠の太陽」を探しにいく原動力になった。全てが私につき刺さった。感情を投げ出していた私だったけど、また何かを作りたいと思えた。

だからこれは過去に縋るしかなかった私の、壊れかけの作品

思い出すか、記憶を消すか。
その選択ができなくて私が生きていない時に作成したもの。
壊れてしまった記憶を思い出すのか、後悔し続けるのか。それとも記憶を全て消して忘れてしまうのか。記憶が見つからなかったらどんなに良いのか。

『Recalling Game』と名付けた三作品。

『Recalling Game』


『永遠の太陽』は『Recalling Game』の3枚の中で最も言葉が少なくて、最も感情が載せられている作品。『Recalling Game』のことは、ここでしか言わない。自分だけの気持ちだからここでしか言わない。

永遠の太陽は絶えず変化しながら内側で輝き続けている。


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