日野サダメに会ってみたくなるnote(を目指した)
ピアノ×バトル×ファンタジー漫画「PPPPPP」に登場する日野サダメというキャラクターがとても好きなので紹介します。
とはいえ、好きなものを語ると何かと熱量過多になりがちなのが個人的な悩みです。
そこで今回はコンセプトを変えて、なるべく「日野サダメに会ってみたくなるnote」を目指しました。
うまくできたかな……と不安ですが、ちょっと読んでみてもらえたら嬉しいです。
「PPPPPP」の作品そのものは上記のようなストーリーです。
彼はその中で、主人公ではないけれど重要なサブキャラ、また「PPPPPP」前身となる「ダダダダーン」では主人公、という立ち位置になります。
キャラクター造形が魅力的
PPPPPPのキャラクターはどれも魅力的なビジュアルをしていますが、日野サダメも例に漏れず素敵です。
百聞は一見にしかず。
赤くて長い髪、大きな瞳、欠けた歯、あたりが特徴でしょうか。
性格は気さくで社交的、かつパワフルで聡明な、行動にまで頭の良さが行き渡っているタイプだと思います。誕生日は8月7日の夏生まれ。
作中ではカタカナ表記も多いですが、本来の表記は「日野運」です。
サダメが主人公となった読み切り作品の「ダダダダーン」というタイトルから分かるように、ベートーヴェンの「運命」が名前の由来でしょう。
個人的にお気に入りのサダメはこれです。燃えるような髪からのぞく澄んだ瞳が格好いい。
画像はありませんが、演奏会のときに髪を一つに括ってスーツ姿になったときも、また雰囲気がガラッと変わります。
どうですか? まずは彼の個性的でクールな見た目だけでも、ちょっとだけ会ってみたくなりませんか?
ロック魂のある学びの天才
日野サダメは「学びの天才」です。
小さい頃から学校の勉強はパーフェクトで、簡単すぎてつまらないくらいだったそう。
父に「お前はうちの医者を継ぐんだ」と常々言われ勉強してきたものの、「これって、自分で決めないと俺の人生だめじゃない?」とふと気付き、わざと高校に全落ちして家出しました。
そして日野サダメは、ピアノに出会います。
勉強と違って、思い通りにならない。美しい演奏をするには「気持ちを込めろ」と言われても、すぐには再現できない。
はじめて自分の頭で太刀打ちできない問題に遭遇した楽しさから、彼はピアノにのめり込んでいきます。
学びの天才で、何も疑いを持たなければそのまま一種の「富・名声・幸福」みたいなものを手に入れられたはずなのに、自分の気持ちに従って芸術を選んでしまったところがとても面白い。友だちになりたいです。
サダメの前日譚はこちらを読んでもらうとわかります。
どうでしょうか。
「とりあえずSNSあったらフォローしようかな」くらいには気になってきませんか?
人のコーチングがうますぎる
日野サダメは単に「勉強ができる」以上に「頭がいい」人です。
言語化と構造化が非常にうまいので、迷っている人を最短ルートで解決に向かって導いてくれます。
主人公(ラッキー)が自分の演奏に悩んでいたときの彼の言葉には痺れました。(※ネタバレ苦手な人は避けてください!)
対話で人を導く彼の鮮やかさを伝えるには、抜粋では不十分なのですが……これでどれだけラッキーの視界が晴れたことか。
日野サダメ、上司になって欲しいです。
(ちょっと付け加えると、きっとこの指針は彼が「自分の人生を自分で決めなければ」と気がついたことと繋がっているんですよね。自分の軸をブラさず他者にその視点を渡せることも、人間として格好いいです。)
サダメの格好よさに痺れる6巻はこちら。
さてさて。
「一回ご飯を食べて話してみたい」くらいにはなってきたかもしれませんね。
天才を超える模倣
作品中に、超えられない壁として登場するのが「音上の6つ子」です。
最強のピアニストである彼らは、誰もが素晴らしいと認めざるをえない、次元の違うピアノ演奏をします。より詳しく言うと、ピアノの音に伴って視覚的な「ファンタジー」を現出できるのです。(PPPPPPは「ピアノバトルファンタジー漫画」なのでこういう設定があります)
例えば夕焼けの景色が見えたり、森の中に入ることができたり、遊園地を楽しむことができたり……圧倒的な「演奏体験」にはこれまでのピアニストの誰も敵わない、という状況です。
しかし、日野サダメは学びでこれを越えようとします。
「学びの天才」だった彼は、ピアノの道に入って「コピーの天才」へと変貌したと言ってもいいかもしれません。
音上の6つ子ひとりひとりを分析し、細かい試行錯誤を何通りも繰り返し、彼らの「ファンタジー」を一部コピーすることに成功します。
天才を模倣できる彼もまた天才だと思うのですが、それにしても模倣を成し遂げ、それが努力量に裏打ちされていることに「かっこいい……!」というカタルシスじみた感情が止まらなくなります。
さすがにもう、彼の演奏を聞いてみたくなっているのではないでしょうか。
読んでみてください
PPPPPPは全8巻で終幕を迎え、サダメがこの先どうなっていくのかは語られません。
ただ個人的には、彼は魅力的なピアニストになれると思うし、もっと勝手に想像すると、教育者に向くんじゃないかと思っています。
ともすると「センスの問題」に見えがちな部分を、彼は因数分解して再現することができるからです。
それによって救われる人はきっと多いと思うし、悩む子どもたちを導くこともとても上手そうです。
気になった人は、日野サダメという人間に出会ってみてください。
彼はどんな人だと思うか、この先どんな道を歩むか、一緒に想像を膨らませられる人が増えたら嬉しいです。
▽PPPPPPの一話はここで読めます(ただしサダメはもうちょっとお話が進まないと出てきません)
マポロ3号先生の筆致は本当に唯一無二の個性があって魅力的なので、あとは本編に託して……日野サダメの紹介は終わります。
彼のほかにもきっと、素敵なキャラクターたちの愛おしい物語に出会えるはずです。
ここまでお読みいただいた方、ありがとうございました!
(PPPPPPを読んでいる人向けの裏あとがき)
こんにちは。
これ以降は、PPPPPPを読んでいる人を勝手に想定して書いています。
サダメ……大好きでしたね……(突然の吐露ですみません)
もっともっと、パワフルで聡明な彼の活躍を見たかったという思いがたくさんあります。
特に、ソラチカとの関係性は興味深かったです。
日野サダメにとって、「無」を弾く音上ソラチカは最高の攻略対象。もっとも「学びたい」と思う相手だと、8巻のエピソードからもわかります。
そして、ソラチカにとってもサダメは面白い存在なんだと個人的には思っています。
彼が6つ子の天才をコピーしたのちに、そこからどんな音を奏でるのか。サダメ自身の音はなんなのか。それはソラチカにとって、とても「未知」のことだと思うからです。
もっと妄想を膨らませてもいいですか?(※苦手な方はバックしてください……)
ひとつのルートとして、サダメが今は失き凡才ラッキーを「コピー」してくれるんじゃないかという期待を抱いています。
コピーしたことで凡才ラッキーが再び主導権を取り戻すかというと、そんなことはなさそうです。ただ、「やさしいばけもの」が一瞬であっても輝いていた墓標として、こんな優しい演奏をした人がいたという証として、サダメのコピー力は希望になるのではないかと思います。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!
PPPPPPが大好きです!
(▽普段は短歌などを作っています。)
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