バスケットBリーグから学ぶ、Vリーグのリブランディング戦略
こんにちは、Steveです。
年末年始に、4年ぶりにフィリピンの児童養護施設を訪れた体験について書こうと考えていました。しかし、今回は引き続きバレーボールをテーマにしたブランディングに関する話題をお届けします。
さてさて、Vリーグに観客動員数の現状ですが、V1リーグ1回目から2022−2023リーグの計29回リーグ中にコロナで入場規制や見観客だった年を除くと前回リーグの平均動員数に関しては男女ともに過去最低。
<Vリーグについて・来場者データ>
現在、V1リーグは2024-25シーズンから世界最高峰のリーグを目指すべSVリーグに生まれ変わる。前回の記事では、市場調査に基づいて、既存の商品やサービスに焦点を当てるのではなく、市場のニーズに応じたサービス提供、つまり「マーケットイン」のアプローチを提案しました。今回は、このアプローチに加えて、リーグ自体のリブランディングについても考察します。
バレーボールvsVリーグ
日本では、バレーボールは決して無名のスポーツではありません。過去には「アタックNo.1」、近年では「ハイキュー」といった人気のバレーボール漫画やアニメがあります。また、春高バレーのような大会はテレビで特集され、多くの人が知っています。全日本チーム、別名龍神NIPPONや火の鳥NIPPONの試合はプライムタイムに放送され、視聴率も良いです。
昨年のパリオリンピック予選では、男女ともにほとんどの試合が売り切れで空席は目立ちませんでした。しかし、活躍した選手たちがVリーグに戻ると、客席は空席が目立ちます。これはバレーボールとVリーグが上手くリンクしていない証拠だと思います。
全日本の試合の観戦は行くがVリーグは観戦しない理由を考えてみました。
その理由は、応援するVリーグのチームがいないからだと思います。
全日本の試合では、日本を応援し、好きな選手もいるため、戦術的なことが詳しくわからなくても観戦します。日本チームの応援>バレー観戦、もちろんバレーが好きであるのだと思いますが、日本を応援したい気持ちが大きように思います。
じゃ、応援したくなるチームを作ればいいのでは!
どうすれば、もっとチームにファンが着くかに関しては後半で紹介します。その前に何かと比較されるBリーグのことを考えると色々と合点が行きやすいと思います。
VリーグvsBリーグ
最近よく比較されるBリーグとVリーグ。むか〜し昔、僕がバスケをプレイしていた時代、今の女子ナショナルチームの赤穂ひまわり選手の父親が活躍していた頃。その当時、バスケットリーグはそこまで知名度が高くなく、典型的な実業団リーグでした。
バスケットリーグは「JBLスーパーリーグ」と「bjリーグ」という、実業団中心とプロ志向に分裂していました。しかし、人気低迷や競技力の低下などさまざまな理由から統一が必要とされ、2016年にBリーグが誕生しました。
発足に向けては、分裂していたリーグが再統一するために、ビジョンの共有や企業協力が大きな役割を果たしと思います。
さらに、Bリーグにはマーケティング専門の「B.MARKETING株式会社」が存在します。この会社は、JBAとB.LEAGUEのオールライツを統合し、魅力的なパッケージコンテンツを提供するために設立されました。目指すところは「権利価値の最大化」「意思決定の迅速化」「顧客対応力の向上」です。
こうしてBリーグは統合前からイメージを変え、リブランディングを始めました。エンタメ要素の強化や海外リーグの魅力を日本流にアレンジするなどの施策を展開。
また、BリーグとVリーグの大きな違いの一つは、日本にはすでにNBAファンが一定数いたことです。海外のスポーツ観戦文化は日本とは異なりますが、メジャーリーグ、ヨーロッパサッカー、NBAは日本でも人気があり、海外リーグの観戦スタイルや熱狂的なファン文化が知られています。Bリーグは上手にその海外要素を取り入れたと思います。また、観客もNBAなどで知ってはいるので受け入れやすかったと思います。
<先日、沖縄で行われたBリーグオールスター。お祭り感満載>
チームや選手だけでなく、何か面白いことをやっているリーグとして「リーグ」そのものにファンになってもらうような仕組みや取り組みが、Bリーグが現在好調である理由の一つだと思います。
<昨年のVリーグ、Bリーグとの違いは?>
VリーグvsSVリーグ
では、どのような取り組みでファンが増えるのか、「これをやれば確実にファンが増える」という正解はないと思いますが、次のような取り組みが重要だと考えます。
1.地域密着・地域的なつながり:
これは非常に重要です。プロ野球やJリーグ、Bリーグのように、地域密着は成功の鍵です。私も春高バレーを見る際、まず地元の高校を応援し、次に隣県の高校を応援します。Vリーグも近年、チームが地域との関わりを強化していますが、リーグ機関としても、このような取り組みが重要だと思います。
2.チームのアイデンティティとブランディング:
チームにアイデンティティはあるものの、それが十分に伝わっていないのが現状です。チームの特色やストーリーをSNSで伝え、ファンと感情的な繋がりを築くことも大切です。
3.ファンとのエンゲージメント不足:
この数年、各チームはファンとの繋がりを強化しています。ファンイベントやオンラインイベントは効果的で、既存のファンがさらにファンになり、新しいファンを増やす手助けをします。エンゲージメントを増やし、「沼」にはまってもらいましょう。
4.観戦体験の改善:
最近、V1男子のTokyoGreatBearsは様々な仕組みを用いて人々を会場に招いています。チーム単位ではなく、リーグ全体として、試合の魅力をLiveで体感してもらい、贔屓のチームを作り、観戦に行きたくなるような取り組みが重要です。
さいごに
選手たちには、やはり満員の会場でプレーしてほしいですね。選手が見せる最高のパフォーマンスを見て、熱狂し、応援するのは本当に楽しいものです。これはバレーボールに限らず、他のスポーツでも同じです。
今回、大宅選手がXでの投稿を見て、バレーファンとしては少し寂しく感じました。同郷として応援している選手なので、何かサポートできないかと思い、自分なりに色々考える良いきっかけになりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。