芸術作品に囲まれて暮らす
「センスが良い」という方々がこの世にいることは知っていたが、こんなにセンスの良い家は初めてだった。ちなみに、私はオレンジパーカー×オレンジバッグとか、彼氏のXLのTシャツ×ジーパンとかを着て大学に通い、数々のバッシングを受けてきた。恐らく「センス悪い」部類に入るのだが、「センスが良い!」と感じる心は持っている。(はずである)
ニューヨーク旅行中は同郷の彫刻家、吉野美奈子さんにお世話になっている。彼女のスタジオ兼自宅の「センスが良すぎた」。
彼女の作品に囲まれていただくごはん。
彼女の作品に囲まれてワイン片手に語らう夜。
彼女の作品に囲まれて目覚める朝。
全てが最高で、初めてのニューヨークなのに、家から出たくなかった。
彼女と私の故郷である富山県は持ち家率No.1で広い家が多いが、「芸術作品に囲まれて生活する」という経験をしている人は少ないように思う。
そもそも美術品を買うという習慣がある人は周りにあまりいないし、それをどう生活空間に溶け込ませるかも難しい。全てのハードルが高い。
買ったは良いけど「なんかしっくりこない」なんて残念すぎる。
彼女の彫刻が売れた時は、搬入時に彼女自身が光の差し込み方や周りを見て置き方をアドバイスするそうだ。芸術家が部屋全体を彼ら自身の作品でコーディネートしてくれるサービス、良いかも。
せっかくなので、彼女の作品を観に行った。
LOVERS ラバーズ〜恋人たち@ニュージャージー エッジウォーター
THE SLEEPING MARMIDE 眠る人魚像@ニュージャージー エッジウォーター
ニューヨークマンハッタンが川の向こう側に見える絶好のロケーション。
川の青と空の青にとてもよく映える白色。
作品は風景によく馴染んでいて、それでいて存在感があった。それは富山という故郷を大切にしながらも、ニューヨークという街に馴染み、爪痕をしっかりと残している美奈子さんみたいだった。
ニューヨークで暮らして、今は笑えるけれど当時は笑えなかった数々の難局を乗り越えてこられた。「でも、いつも何とかなるっていう根拠のない自信があったんだよね」と笑う。
芸術作品が身近に増えれば、ほんの少し芸術への知識が増えれば、人生が明るくなると感じたニューヨーク旅でした。
すてっぴぃ@Metで美奈子さんと「MAKE A WISH」
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