中医学で考える、心身の不調の原因について③【内因】
このnoteに辿り着いてくださったみなさん、こんにちは。
正直、このシリーズを読んで面白いと思う方いるのかなぁ?と思う気持ちにぶつかることもあるのですが、読んでくださる方がいるので今日もお届けしていきたいと思います。
中医学を理解するには、これまでの固定観念をぶっ壊す必要があります。いや、ぶっ壊さなくてもいいのですが、今までの西洋医学的な考え方は一度隅に置いて「なるほど、こんな風に考えることも出来るのか」とまず先に興味を持ってみると良いですね◎知ることで初めてどんなものかが理解出来ると思います。
さて、先日は心身の不調の原因の一つ【外因(がいいん)】についてお話しましたので、今日は【内因(ないいん)】についてお話していこうと思います。
内因(ないいん)について
体の外部からの影響ではなく、内部から発生する病因を「内因(ないいん)」と言います。内傷と呼ばれたりもするのですが、内傷をより細かく分類している内因・不内外因という2つに分けて話をしたいと思います。
内因には【七情(しちじょう)】と呼ばれるものが関連しています。
七情(しちじょう)について
怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の7つの感情変化を七情といいます。
誰もが感じたことがあるであろう感情なのですが、これらの感情も
①突発的だったり
②過度であったり
③長期にわたって継続することによって
エネルギーである「気」や心と体に栄養を与えている「血」、臓腑の機能が失調したり、体内のバランスの乱れなどが発生し、病因へと変化してしまいます。
七情と臓腑の関係
七情と各臓腑・気血には関連があります。
怒 =肝 怒りは肝を傷つける
喜 =心 喜びは心を傷つける
思 =脾 思い悩むことは脾(胃腸)を傷つける
憂・悲 =肺 憂い悲しみは肺を傷つける
恐・驚 =腎 恐れや驚きは腎を傷つける
どの感情もあっていいもの。ただ、行き過ぎず、過不足なく、調和が取れている=中庸(ちゅうよう)がとても大切です。
ちょうど今(秋)は肺と関わる季節。乾燥は肺を弱らせるため、秋になるとなんだかちょっと寂しくなったり、センチメンタルな気持ちになったりしますよね。秋に気分が落ちがちな方は、肺が弱っているかもしれませんね。
七情の変化により影響を受けやすい臓腑
精神活動は五臓では「心」と深く関わっているため、感情の変化はまず「心」の機能に影響して、そこから他の臓腑にも波及していきます。五臓の中でも特に「心」「肝」「脾」という3つの臓腑に直接影響することが多いです。
精神の安定に欠かせない「血(けつ)」を管理している【心】
「血(けつ)」をストックして、全身のコントロールをしている【肝】
飲食物を消化吸収して、エネルギーである「気」や「血」を作り出している【脾】
七情によって影響を受けた臓腑や気血を整えてあげることで、心と体を整えてあげることが出来ます。それが漢方薬や薬膳の持つ力です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わたしたちの感情は、思っている以上にわたしたちの体に影響を与えています。くよくよと思い悩むことで「脾(胃腸)」が弱って食欲が落ちてしまったり、そんな経験、みなさんにもありませんか?
心と体は双方向に影響しあっていますので、感情の揺らぎが体に影響するということもあるのですが、体が弱っていることで感情が揺らぎやすいこともあるのです。それって本当に心が弱いだけ??あなたの心が弱いだけじゃないよ◎
次回は、心身の不調の原因についての最後の記事「不内外因(ふないがいいん)」について書こうと思います。
以下の記事もあわせてお読みいただけるとうれしいです。