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なぜ絶滅危惧種は増えているの?

世界のあらゆる場所で、たくさんの動物が生きています。

そんな中、近年、絶滅危惧種が増加しているのを知っていますか?

子孫を残せず、「この世からいなくなってしまう」と言われている動物が数えられないほど存在しています。

「その理由はなぜなのか」をまず多くの人に知ってほしいと考えています。

少し長くなってしまいましたが、ご一読いただけたら幸いです。


絶滅危惧種の現状

絶滅のおそれのある野生生物の種のリストを示したものを、「レッドリスト」と言います。

日本では、環境省が日本に生息・生育する野生生物について、生物学的な観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し、レッドリストとしてまとめています。

動物のみならず、植物についてもまとめており、2023年12月の時点でIUCN(国際自然保護連合)が発表した「レッドリスト」には、合計で4万4,016種の野生生物が記載されました。

2023年12月 レッドリスト

これは前回約1年前の発表時と比較して、約2,000種の増加となります。

まだ未発見の生物が、数百万・数千万存在すると言われているので、実際はもっと多くの生物が絶滅危機に直面していると考えられています。

恐らく、調査を重ねれば重ねるほど、増加していくと思います。


絶滅危惧種の増加がなぜダメなのか

生物の絶滅を回避しなくてはいけない理由は、単に「可哀想だから」というようなものでは収まりません。

食べ物や薬、衣料など、私たちはさまざまな場面で生物の恩恵を受けており、そのおかげで現在の生活を送ることができているからです。

ある種が絶滅すると、連鎖的に他の種も絶滅し、結果として、人間が地球上で生きていくのが困難なほどに大量絶滅が発生してしまう可能性があります。

「ミツバチがこの世からいなくなったら、人間は4年後には生きられなくなる」

という有名な言葉があります。

これは、ミツバチが野菜や果物から花粉を集める際に、それらの受粉を手助けしており、ミツバチが絶滅すると受粉効率が大幅に低下することで、現在の食料生産に大きなダメージがあると考えられるからです。

ミツバチに限らず、このように生態系にとって、重要な役割を担っている生物が数多く存在します。

食物連鎖が崩壊していくのは大問題なのです。


絶滅スピードの深刻化

生物のなかには、恐竜のように、進化の過程で自然に絶滅してしまった生物もたくさんいます。

しかし、近年問題になっているのは、人間の活動が原因で自然のスピードをはるかに超える絶滅が起こっていることです。

恐竜が生きていた時代は、1000年に1種が絶滅していたと言われています。

ところが、1975年から2000年までの25年間に年平均で4万種の生物が絶滅してしまいました。

これは、13分の1種の生物が絶滅しているということです。

自然に絶滅する場合と比較すると、約1000倍相当のスピードです。

今では、このスピードを超えて世界中で多くの生物が絶滅の危機にさらされています。これは、相当まずい状態です。

人間のどういった活動が問題なのでしょうか。


絶滅危惧種を増加させている人間の活動

・地球温暖化

皆さんのご存知の通り、地球の平均気温が上昇している現象を地球温暖化といいます。

地球温暖化については、今度詳しく書かせていただきますが、簡単にお伝えすると、二酸化炭素などの温室効果ガスが増加していることが原因です。

地球温暖化の原因は、紛れもなく人間のせいです。

人間の生活を豊かにしようと思った結果、地球に与えるダメージが大きくなっています。

また、地球温暖化により、気候変動などの問題も加速化しています。

絶滅危機種4万4,016種のうち、気候変動の影響を受けているとされる種の数は、実に6,754種。

近年の夏の暑さや、台風の大型化など、人間の生活にも悪影響を及ぼしている気候変動ですが、もちろん動物にとっても大きな問題となります。

例えばホッキョクグマは、海氷の上で生活していますが、地球温暖化によって北極海の氷が溶けて減り、生活圏が縮小しているのです。

・土地開発・森林伐採

人間の生活圏を確保するために、海の埋め立て・河川の改修・森林伐採を行ったりします。

そうなると、そこに生活していた種の生活環境を破壊してしまいます。

実際の例でいうと、ウミガメ(産卵床の破壊)などが挙げられます。

・環境汚染

工場排気による大気汚染・鉱山開発による土壌汚染などにより、そこで生活していた動植物に大きなダメージを与えることがあります。

一例として、タガメ(水田への農薬使用)が挙げられます。

人体には影響のない程度の農薬量であっても、水生昆虫であるタガメにとっては高い毒性を示してしまうことがあります。

・乱獲・密猟

生物そのものを捕獲することで、急激に個体数が減少して絶滅危惧種になる例もあります。

例えば、アフリカゾウは、良質な象牙が手に入るという理由で乱獲され、生息数が激減しました。

・外来種の持ち込み

生物には、その地域に昔から生息している「在来種」と、その他の地方から持ち込まれた「外来種」がいます。

また、特定の地域にしか生息していない生物を「固有種」と言います。

日本のように四方を海で囲まれた国の場合、生物種も独自進化を遂げていることが多くあり、固有種も多い傾向にあります。

外来種が持ち込まれてしまうことで、もともと存在していた在来種や固有種が、絶滅に追い込まれてしまうケースがあります。

例としては、ニホンザリガニが挙げられます。

ニホンザリガニは日本固有のザリガニ種であり、北海道・青森・秋田・岩手に生息していますが、食用として持ち込まれたウチダザリガニの影響もあり、個体数が減りつつあります。

植物なども、外来種の被害にあっているケースが多い印象です。

最後に

人間の活動が原因で、多くの生物が繁栄できなくなっています。

私たちの生活を見直さなければいけません。

他の生物が被害を被らないように、我々ができることを少しずつ一緒に考え、行動していきませんか?

それが結果として、私たち人間のためにもなります。

より多くに人に、現在の地球・人間の現状を知ってほしいです。

次回は、実際に絶滅危惧種となった種の紹介をしていくつもりです。

仕事の関係上、土曜日更新から「週末更新」に変更致しました。申し訳ありません。

今後も土曜日か日曜日には、UPしていくつもりです。

来週もよろしくお願いします。

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