見出し画像

白鳥への餌やりに対して

前回、「野生動物への餌やりがダメな理由」について書かせていただきました。

実は、私たちが住んでいる街で「白鳥への餌やり」が普通に行われている現実を間近で目撃しました。

今回は、私の感想的な要素が多くなってしまいますが、ぜひご一読いただきたいと思います。


白鳥の餌やりを目撃した話

ある日、近くの川に白鳥が現れると聞いて見に行きました。

「白鳥いる!やっぱり白くて綺麗だな。」と思いながら、川の近くに行きました。

ですが、ここの地域の白鳥に違和感を覚えました。

私が、川の近くに行くと、白鳥が私の近くに寄ってくるのです。

「これは、、、」と思い、悲しい気持ちになりました。

普段から餌やりが行われている証拠です。

「餌は?」と話しかけてくるような顔でこちらを見つけてきます。(白鳥の餌やりがダメな理由は下記参照)

「ちゃんとシベリアに帰るんだよ」と言いながら少しの間いると、一人の女性が川の近くにきました。

その女性は、なんと鞄からパンの袋を取り出し、ちぎって白鳥に与え出したのです。

笑顔で何度のあげている様子を見ていると、心が苦しくなりました。

この女性が、白鳥のために善意で行っているつもりで、知識がないのだけなのだと思い話しかけに行きました。

私「すみません、白鳥への餌やりをやめてもらえませんか?」

女性「なんで?」

私「白鳥にとって良くないので」

女性「無理です。毎年これが楽しみなんだもん。」

私「白鳥に餌をやると、シベリアへ帰れなくなってしまうかもしれません。白鳥の体にも良くないですし、感染症のリスクもあります。」

女性「毎年ちゃんと帰っているよ?」 ※この時は知りませんでしたが、実際は毎年2羽残っているみたいです

私「そういうことではないです。」

女性「みんなもやってるよ?なんで私だけ辞めなくちゃいけないの?」

私「誰かが辞めないと、無くなりません。」

女性「無理ですね。」

私「市役所に連絡しますね」

女性「どうぞ、ご勝手に」

話している最中は、こちらのことをほとんど見ず、餌やりを続けていました。

パン2袋があっという間になくなりました。

「終わっている、、、、。」そう思ってしまいました。

知識がないことに対してではありません。

自分よりも倍近い歳の方の聞く態度や、みんなも行っているから自分も行って良いという考えに対して、憤りを感じたのを、今もなお鮮明に覚えています。

結果として、辞めさせることができなかった自分に対して悔しさも感じました。

「白鳥ごめんなさい、、、。」

どうしたものか。

白鳥のためではなく、自分自身の余暇のために優先する人をどうすれば良いのか。

話し方がダメだったのか。無理矢理にでも辞めさせるべきだったのか。などなど家に帰ってから色々考えました。

またある日に同じ場所に見に行ったら、楽しそうに子供と一緒に餌やりを行っている親を見ました。

「動物園じゃないよ、、」と思いながら、無知の恐ろしさを感じました。

「どうか、一緒に餌やりを行っていた子供が、餌やりについて学び、自分の子供に同じことをしませんように」と願うばかりです。

そして、環境に関する知識や意識がまだまだ低いことも再確認できた出来事でした。

白鳥の餌やりがダメな理由

まず、人間の消化機能と白鳥の消化機能は、全く異なるものです。

それにも関わらず、白鳥に人間の食べ物をあげると、消化できずに弱ってしまいます。

白鳥への餌やりは、「パンをあげる」ことが多いそうです。

これはとても危険です。

パンを食べると、そこにカビが生えて弱って死んでしまったり、羽の奇形などを引き起こすこともあります。パンの残りカスは、水質を悪化させることもあります。

また、前回もお伝えした内容でもありますが、簡単に餌をあげる状況は白鳥にとっても良くなりません。

自分でエサを探す能力がなくなり、そこの川の生態系が崩れてしまうからです。

さらに、白鳥は「渡り鳥」です。遠いシベリアから、冬になる時期に渡ってきます。

そして、北海道は4月下旬から5月上旬頃にシベリアへ帰っていきます。

ですが、餌やりをしてしまうと、シベリアの白鳥が簡単に餌をくれる場所に留まってしまうことがあります。

本来いなくてはいけない場所にいないのは、これも生態系を崩してしまいます。

野生の本来あるべき姿に人間が関与して良いことは、ほとんどないことをぜひ多くの人に知ってほしいです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?