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【大人】自分を育てる①「思考」のレッスン

誰でも、どこかで「自分は自分でありたい」「人間として成長していきたい」という思いを持っているのではないでしょうか。神戸シュタイナーハウスの大人クラスでは、Sさんが「6つの行をやろう」と発案してくださり、今月から6回にわたって自分の思考・感情・意志をバランスよく育てていこうというチャレンジをすることになりました。

まず第1回目。「思考」を鍛える行として、3つのワークをしました。みなさんもご一緒にどうぞ。

ワーク1 「ありのままを観察する」

今日の持ち物は、身近にある素朴な道具。4人が持ってきたものを机に出してみると、なんと、フォークとお箸とスプーン、それに冷蔵庫のマグネット。持ってきたものが同じジャンルすぎてビックリでした。4人とも「食への関心度が高い」という共通点があるのかしら(^^)。

各自、持ってきたものを前に置きます。普通に反応して「かわいい」とか、「高そう」とか、「自分で作ったの?」とかをいったん黙らせて、主観をまじえずに、見たままを描写してみます。

・直径は7ミリ程度で先に行くにつれて細くなっている
・木目が縦に走っている、とか、
・先端の角度は何度くらいで
…などなど、ひたすらたくさん言っていく。

そのままを、しっかり見ていくと、そのうち目で見た事だけじゃネタが尽きてきました。それでも止めずに言い続けていくと、手触りの滑らかさや温度など、他の感覚でも味わい出しました。
見るのって、かなりパワーが要りますね。普段、いかに見てないのかを自覚しただけでも収穫でした。

ワーク2 「いろんな使い方を考える」

先ほど描写した素朴な道具の別の使い道を考えます。

たとえばフォークなら、「粘土に線をつける」「背中をかく」くらいはいいとして、それはないでしょ?みたいな「(持ち手のところをかんざしのように使って)髪を止める」「カード立てにする」なんていう苦しいものまで出てきました。でも、実際に使うかどうかを気にせず、どんどん出していきます。

それぞれ使い道を20個以上出してきて、途中からかなりおもしろい感じになっていきました。でも頭を柔らかくするための「発想の筋トレ」のつもりで、取り組みました。

これ、実家に行った時に80歳の父と一緒につまようじの使い方を考えてみたら、意志が強い反面、融通の効かない父は5つしか思いつきませんでした。とは言え、私もスプーンでは20個以上思いついたけど、つまようじは15個でギブアップでしたが。気が向いたら、一度やってみてください。いくつ思いつきますか?

本来の使い道以外の使い道を考えることで、どんどん頭が柔らかくなっていきそうです。これ、1回やったからどうなの?ということで、「一か月、何度か取り組んでみよう」、という話になりました。

余談ですが、大人クラスではこの頃から自主的に宿題を出したがるようになりました。

ワーク3 「道具が作られた過程を逆にたどる」

3つめのワークです。今度は完成品のスプーンやフォークから素材までをさかのぼってみます。

スプーン完成
オイルで磨く
サンドペーパーで表面を整える
  :
  :
必要なサイズを切り出す
手頃な枝を探す

…というような感じで、木の枝がフォークになるまで、細かく、さかのぼってみました。順は簡単に思いつきますが、逆は難しいです。それでもなんとか14ステップ分をさかのぼってみました。

寝る前に一日を逆からたどる、というワークもありますが、それもめちゃくちゃ難しい。個人的には、たいてい晩ごはんくらいまでさかのぼって、その前は…はて? 朝までさかのぼれたことは皆無です(^^;)。

やってみての振り返り

いろんな感想が出てきましたが、一番みんなが感じたのは、「自分が持ってきた道具が、前より愛おしくなってきた」、という事でした。マザーテレサの言葉に「愛の反対は無関心」というのがありますが、関心を持って見るということ自体が愛する行為なのかもしれません。

「こういう見方でていねいに人を見てみたら、前よりもっと相手のことがわかって、しかももっと愛おしくなるね」と話していたら、もっと愛おしくなりたい人(=家族の誰か)を見てみよう、というのも宿題に追加。学びは自分の暮らしに役立ててこそ、です。

みんな、やる気満々すぎて、宿題多い~~。おもしろいから、どんどん宿題を増やして、自らの首を絞めていく大人クラスでした。楽しいからいいけど。

観察することが思考力を鍛える行だということは、まだ少し不思議な感じがします。観察眼を鍛えることで、こっちから考えをひねり出さなくても、観察対象が自ら教えてくれる、と言う人がいました。観察の行を繰り返すと、その境地に近づいていくのでしょうね。それには、意志の力を鍛えねば!ということで、次回は意志を鍛える練習に取り組んだ様子をお伝えします。お楽しみに。

▼この他の「6つの練習」は以下をご覧ください。
自分を育てる6つの練習

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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