【大人】秋に焚火を囲んでぼーっとした
今月の大人クラスは、会を始めて以来、はじめてのノープラン。子どもクラスが山に入って植物について学ぶというので、それならばと、同じ山の中で焚火ができる場所を探して、あれこれ準備をしながら子どもたちを待つことにしました。11月上旬、ちょっと肌寒いので、火に当たるのが嬉しい季節です。
焚火女子会? サクサクと準備
子どもたちとえりか先生が山の中に入って行った後、大人たちは川沿いで薪にする小枝を集めて火を起こすことにしました。ノコギリやなたなどを使い、倒木をバラしたり、長さを整えたりしながら、どんどん準備が進みます。
そう言えば、男性がいない野外での焚火って、したことあったかな? 車を止めて5分ほど歩くだけで水と平地、倒木があったので、力仕事もたいして必要なく、どんどん準備が進みます。場所を見つけてくださったRさん、感謝! いい場所さえあれば、焚火はそれほど大変でもありません。
焚火があって、食べ物がある状態は「縄文の血が騒ぐ」と言いたくなるほど嬉しいものです。この日の大人クラスのミッション(?)は、そんな幸せな焚火の準備。クラスの後で、子どももおなかをすかせているはずなので、子どもたち(ともちろん大人)のために、たっぷりとお昼ご飯も用意してきました。
本日のメニューは?
ラム肉のクミン焼き(←おいしすぎて大人まで回ってこない!)、椎茸やエリンギなどのきのこ(←子どもクラスで最近きのこを学んでいて、これまた大人気)、蒸しタマネギ、ジャガイモ、焼き芋、いろんな焼きおにぎりなどのホイル焼き、串刺しの大きなマシュマロに、焼きリンゴ、焼きミカン…などなど。
何を持っていくかは、当日までに連絡を取り合い、自然に決まっていきました。「自分の出来ることを惜しみなく提供する」「誰かに頼らず自分の事として進める」という、大人クラスのみなさんの姿勢があってこそ、スムーズに進んでいくのでしょう。
ここでは「神戸シュタイナーハウス」という小さい集団内の話ですが、地域や学校などのもう少し大きなサイズの社会に関わる時にはどうでしょう。参加メンバーが自分たちの居る場所を今より少し良くしたいと思っていて、そのために自分に出来ることがある時、行動できるでしょうか。私は…目的次第かな。自分と方向性の似たコミュニティの中で、自分も動けることを喜び、結果的に、その場所がいい方向に変わっていくとしたら、本当に素晴らしいなと思います。
自分が動く時に邪魔になるのは、忙しさ、エゴ、不安。それらを気にする必要が、ここにはない! それらを気にしなくていいだけで、自分が1ミリも変わらないまま、こんなにいい時間が持てるんですね。あるのは、「人が喜ぶ顔が見たい」「一緒に楽しみたい」という素直な思いだけ。各自、家にあるもの、以前食べてみておいしかったもの、一緒に食べたら楽しいだろうな~と思うようなものなど、思い思いに準備してきました。そんなに大変じゃない程度の、自分に出来ることがあるのが嬉しい。
ベンチやシートをあれこれセッティングして、準備も完了。あとは、串に刺したり、アルミに包んだりしてきた食材を、火の周りに並べつつ、子どものこと、夫婦のこと、学校のこと、社会のことなど、いろいろとおしゃべりしながら子どもクラスの終わりを待ちました。
子どもたちが帰ってきました!
ふだん、終わったらすぐに家に帰る子も、「お昼に約束がある」と言っていた子も、火を見て大喜び。「時間ないやろーけど、ちょっと食べて行きー」と誘うと、制限時間ぎりぎりまで、火をいじったり、焼けたものをつまんだりして、遊んでいました。
オシャレな女の子たちも、大きな口を開けて、がぶり! 曰く「外で食べたら何でもおいしいなぁ~」。いやいや「ママたちが用意してくれたものはおいしいなぁ」と言って欲しい(^^)。6年生男子はともかく、ちょっといい恰好もしたい中1女子の無防備な笑顔は、見ているだけで嬉しくなります。焚火して良かった!
帰り時間の来た子どもを駅まで送り、残った子どもと先生と大人はさらにリラックスして、寝そべらんばかり。何かしゃべってたんだか、何もしゃべってなかったんだか。のーーーんびりと火のまわりでくつろいで、時間が過ぎていきます。ぼーっとするのって、いいなぁ。そろそろシナモンバターの焼きリンゴも食べごろです。うまっ!
太陽の傾きで時間を見る
一通り食べた後、子どもたちは、その日子どもクラスで学んだらしい5角形の葉っぱや キノコを見つけたり、手頃な棒を持って少し上流に行ってみたり、その棒で溝を掘って火の近くまで川の水を引いてきたり、ついでに川にハマったり、濡らしてしまった靴下を焚火で乾かしたり、早く乾かしたくて火に近づけすぎて、結局靴下の指先を焦がしてしまったり…(^^)。
外で食べたら何でもおいしいし(←認める)、外で遊ぶと何をしてても楽しい。火を囲むと誰とでも仲良くなれるし、まして、もともと尊敬できる仲間だったとしたら、なおのこと!
子どもも先生も親も、何の屈託もなく火を囲み、先生と生徒、先生と保護者、というような枠組みを超えて、いろんな話をしてくつろいだ半日。帰りも時計を見ることなく、太陽の傾きを見て「そろそろ片づけましょうか」ってことになりました。
秋晴れの下で、仲間と一緒に過ごしたぜいたくな時間は、かけがえのない贈り物でした。いろいろと状況は変わってしまいましたが、またいつの日か、こんな時間が持てますように。
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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や書くことに関する仕事、普段の暮らしなどを通して自分の考えを深め、表現する。その結果、自由で愛のある社会に近づけるといいな。
ブログ毎日更新中。https://blog.goo.ne.jp/oneby1
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