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【コラム】子どもの習い事ってどうしてる?

みなさん、習い事ってどうしてますか? ウチは中学校の部活を除けば、月に1度の子どもクラスと週1回のピアノだけです。今日は、習い事についてお話しします。

ウチには古いアップライトのピアノがあるのですが、シュタイナーの育児本とかを読むと「小さい頃にはペンタトニックの音が~」なんて書いてあるし、ピアノの音って大きすぎるかな?と思っていたので、子どもが小さい頃は全然弾いてませんでした。そもそも指が動かないし(^^;)。なのに、どうしてピアノを習う事になったのか。それは、子どもがやりたがったからです。

子どもは歌が大好きで、保育園への行き帰りなど、自転車で出かける時にはいつも前に乗ってカラダでリズムを取りながら「ゆ~きやこんこん♪」なんて大声で歌を歌っていました。私も楽しくて、小さい声で小さな背中越しにハモりを重ねてみたりして。おかげさまで自転車移動の時はいつでも、すれ違う人から山盛りの笑顔をもらうというオマケ付きでした。

「そんなに歌が好きなら」と色気を出した私は、ある日、チラシが入っていた大手音楽教室の体験に行きました。その音楽教室ではあらかじめプログラムされたノリノリの楽しい伴走に合わせて十数人が一緒にキーボードを弾くスタイル。狭い空間に大音量のヘタクソ電子音が充満してうるさいのなんの!! 歌ならみんなが調子っぱずれでもかわいいのに。

自分で刺激しておきながらナンですが、幼児期にこういう音楽は向いてない気がします。現実問題として、毎日練習させる気も時間も労力もなかったし。子どもは物珍しさもあって最初はテンションが高かったのですが、そのうち飽きたようで、これ幸いと辞めました。

そうして無理に刺激することを止めたのですが、1年生の終わりごろ子どもが「ピアノを習いたい」と言い出しました。せっかく歌が好きなのに、毎日練習を強制されて音楽嫌いになっちゃったらもったいない、という思いがあったので、「へぇ~、そうなの? 弾いてみよっか?」と、その時一緒にピアノで遊ぶことでお茶を濁していました。でも3年生になってもまだ「習いたい」と言っていたので、仕方ないな~と。

こだわったのは先生探し。「ピアノの上達よりも音楽を好きで居続けることを大事にしたい」という思いを理解してくださる先生に出会えたのは幸いでした。昔みたいな「間違えたら怒られる」という恐怖のレッスンじゃなくて、子どもが練習してきたところまでを聞いてくれて、来週までもう一歩進められるような、子どものペースでのレッスンです。ゆっくりすぎて先生に申し訳なく思う時もあるのですが。

一度だけ、6年生の時に「辞めたい」と言い出した時があります。その時は「ふ~ん、そうなんだ?」と何のアクションもとらずに見守っていました。単なる気持ちの波なら続けたらいいし、本当に辞めたくなったら辞めてもいい。おかげで、部活も毎日あって忙しいなりに中学生の今も続けています。

中2になると「テスト前やから今週休むわ」などと言いだしたので「前もって先生に言えるなら」と、それも尊重。無理な時に休むことで続けられるなら、そんな取り組み方もアリだと思います。「休み癖が付くかも」とも「自分でやりたいって言ったんだからちゃんとやりなさい」とも思わない。好きでやり始めた事を、好きなまま続けられることで、大人になっても精神の栄養として音楽とつきあえるようになればいいなと思います。

そんなペースなので、音楽会でピアノ伴奏をするような大役は回ってきませんが、ここ2~3年、合唱のパートリーダーに立候補しているようです。家でもレッスン中の楽譜以外に、友達が弾いているカッコイイ曲や、今までに音楽会で歌った曲などを弾いて遊んでいるのを見ると、習っていて良かったなと思います。

余談ですが、早期教育につきものの「〇歳までに〇〇しないと間に合わない」というような常套句が苦手です。小さい頃から一流の指導者に巡り合えて才能を開花させた人もいっぱいいるでしょうが、体操教室やスイミングに行ってないプロスポーツ選手や、小学校に入るまで字も読めなかったような学者なんて、いくらでもいるもんな~と思うのです。

1人ひとり独自の色で輝くことが幸せだと思うから、そのためにも、なるべく子どもの“やりたい”を応援していきたいと思います。受験を控えている今もそんな姿勢なのは、それはそれで問題アリかもしれませんが…。

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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神戸シュタイナーハウス
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