【コラム】人間って宇宙やんな?
えりか先生が書かれた中に、「人間って宇宙でしょ」って子どもが言ったという、ビックリするような記事がありました。アタマの中が「???」そんなのあり得ます??なんでそんな事が??
えりか先生も「他のクラスでは、形に思いを馳せるだけで終わったのに、なんで神戸はこんな展開になったんだろう?」と不思議がっておられます。何が違うのか思い出しているうちに、「もしかして」と思い当たるフシがひとつ出てきました。以下、えりか先生の話です。
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神戸シュタイナーハウスの子どもクラスでは、小さい頃、毎回ライゲン(子どもも先生も一緒に、輪になって体を動かす活動)から始めていました。その動きを考える時に、単純に伸びて縮んで身体をいろいろな形で動かそうと思ってたんじゃなくて、動きひとつひとつに自然界にあるような動きを模写しているような感じで、という意識でやってました。
たとえば、自転があって、公転があって、植物なら縦に伸びるとか、鉱物なら小さく硬くなって…という動き。そういう動きを、季節の歌や詩の言葉に合わせて、考えていました。何も知らなかったら、動きに偏りがないようにしてるようにしか見えなかったと思いますが、私の中では宇宙のイメージでした。
もちろん、そんな意識で動きを考えていた事なんて、子どもに話したことはありません。保育園時代から中学年くらいまで3~4年、毎回やってたから、子どもの中に入ってたんでしょうか?それが今回の発言につながったんでしょうか? なんともフシギです!
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えりか先生によれば、シュタイナー教育の大きな特徴の一つがエポック授業です。1時間目は算数、2時間目は理科のように細かく区切るのではなく、午前中の授業時間が丸ごと全部メインレッスンの時間。それを毎日3週間続けます。かけ算ならかけ算を3週間するので、その間、理科の授業はお休み。
「そんなことしたら、せっかく勉強したことを忘れない?」
と思われるかもしれませんが、むしろそこがポイントなのです。いったん忘れて自分の内側に眠らせておき、また学び始めるときに記憶を呼び起こす。そうすることで、学んだことが血となり肉となるようにしているのです。
「幼い頃、宇宙をイメージして動いたり歌ったりしていた経験。そして、高学年になってからの『人間って宇宙やろ?』という意味深な発言。偶然かもしれないし、こんなことを記事にしたら怪しい宗教みたい・・・。それでも、そこに意味を見出したくなってしまう出来事でした!」と、えりか先生。
経験した事を自分では忘れてしまっているとしても、それが「人間って宇宙やろ?」という発言につながったのだとしたら。そして、自分が経験したつもりのない、自分と接する人の思いまでが自分に届いているのだとしたら。人が育つということは壮大な話です。