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【子ども・大人】薬の研究者、伊藤眞里さん
「中学生のハローワーク」21年12月のゲストは、国際的な薬や免疫の研究者、伊藤眞里さん。国立機関の創薬研究のリーダー、海外の大学の名誉講師など、びっくりするような肩書がズラリ並ぶまり先生。
「研究者」と言うと、人付き合いが苦手で試験管をにらんでいる印象ですが、まり先生はずいぶん違います。はじめての挨拶の時から「質問があればいつでも話を止めてくださいね~」と、明るく穏やか。周りの人からは「超ポジ(ティブ)野郎」と言われているそうです。野郎って…(笑)。その研究者人生や薬の開発、コロナ予防や免疫のことなどを聞かせていただきました。
進路選択と研究テーマ
高校の頃、医学部に行こうか、薬学部に行こうかと進路を考えた時に、「医者は目の前の人を救えるけど、薬なら世界中の人を救える」と、薬学の道を選んだというから、その時点からすでにポジティブです。
まり先生の研究テーマは、「病気の始まりはどこか」。
身体はパーツの足し算で出来ているわけではなく、いろんなネットワークでできています。身体の中のいろんな物質の変化を示す全体の関連マップがあれば、何がきっかけになり、それがどう変化して病気になるのかという謎が解けるはず。
「これが欲しいな」と真っすぐ思い続けた結果、昔は技術が追い付かなかったけれど、今は3Dでその代謝マップが描けるようになってきました。また、京×京の計算ができる量子コンピュータで難病に効く薬を探すための計算も出来るようになってきました。
どんなに技術が発展してきても、大切なのは「問題を考えるのは人間だ」ということ。人間が説明できないことは、どんなに技術が進もうと計算させることはできない。「人間の役目は、しっかり問題を考えてAIに示し、学習のし方を教えることです。お互いに助け合って社会を進めていけたら、と思います」。
無駄なことはなかった
これまで日本、アメリカ、イギリスの大学、会社、研究機構などで、漢方や微生物、分子生物、放射線、遺伝、iPSの研究、AIを使った薬の開発など、さまざまな研究をしてきて、今。約300社が関わるオールジャパンで取り組むLINCという組織で「病気になる前に予防する」というテーマのリーダーを任されています。
「やっと自分のテーマにたどり着いて、直球で取り組めるようになりました。いろいろやってきたけど無駄な経験はなかったですね」。やわらかく言う、その親しみやすい笑顔と、国際的な研究者の姿が重なっているのが、なんだか不思議です。
コロナ予防と免疫
そして、気になるコロナ予防に関しても少々。手洗いでは親指を洗い残しがちなので気を付けること。みんながマスクをしたら感染リスクは1.5%にまで減らせること。そんな数字を見せてもらい、免疫を高める3つの方法も教えてもらいました。
・免疫は心(ストレス、不安)の影響を受けるので、悪いストレスを良いストレスにする。
・入浴などで体温を上げて免疫細胞が身体をパトロールしやすくする。
・規則正しい生活と食事で体内時計を狂わせないこと。運動すること。
これに加えて「私が一番心掛けていることは、笑うことです。ホントに劇的に変わりますので」。
まり先生を動かす3つの言葉
最後に、まり先生を支えてきた3つの言葉を。
・チャンスの神様は前髪しかない
・超ポジティブに生きる
・マイナスの言葉は使わない
プロジェクトがポシャろうが、結果が出なくて落ち込もうが、それでも一歩前進したと考えて、次のページを開いていく。まり先生の目標は一生現役。「最後はベッドの上で論文を書き上げて死にたい、というくらい研究が好きなんです」と、あまりにも真っすぐおっしゃるので、聞いている方も真っすぐになった気がするほど。
出会いに感謝!
こんなにポジティブな人の話を、進路を考え始める中学時代に聞けて、しかも「学生時代、勉強は得意でしたか?」「安定した会社に入ろうと思いませんでしたか?」など、直接質問できる、その出会い自体が貴重でした。
今はそのすごさに気づかなくても、後でピンチの時などに、ふと思い出してくれたらいいなと願います。まり先生、貴重な時間をいただき、ありがとうございました。
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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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