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太陽がなかなか沈まない国③(スペイン旅行回想記)

(2021年9月投稿予定で温めていたものです😭)

もはや季節の変わり目ごとに投稿していると言っても過言ではない。

今年の東京都心の9月前半の日照時間はかなり少ないらしいが、それでもなお蒸し暑さを感じさせる残暑にうんざりしながら外を歩く。

https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2021/09/16/14096.html

こんな日にはそよ風が吹きさらすようなテラス席で、キンキンのビールをひっかけて暑さを忘れたいところだが、某ウイルスの支配下ではそんなことをしようものなら破門と言うばかりの許されざる禁忌である。

そのような危機的状況であるにもかかわらず、人間の口がビールを求める乾きは不変なので、仕方なく帰宅するなりサッポロ・黒ラベルを1人で飲み下すなどの愚行をしなければならないのだ。

多少のほろ酔い気分に浸かりながら、思い出すのは「Estrella Barcelona」(エストレーリャ バルセロナ)だった。バルセロナ市街のホステルのバルコニーで、だらしなく飲んだ缶ビールの味は、南欧の活気に溢れる爽快な気分を明快に思い出させる。

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ようやく筆を動かす気が起こった。

前回の投稿

①バルセロナを発つ。古都・トレドへ

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バルセロナ・サンツ駅

4日目の朝。3日間を過ごしたバルセロナを発った。バルセロナからは、首都マドリードをはじめとしてフィゲレスやサラゴサといった様々な地方へ発着する電車がある。前日にSants駅でチケットを手に入れた僕らが次の目的地としたのは、スペイン有数の古都・トレドだった。


かの有名な沢木耕太郎の旅エッセイ『深夜特急』によれば、1970年頃にはバルセロナ-マドリードを2~3時間で走行するような路線が日本にあることはあまり信じられていなかったようだ。そのルートをまさに3時間で向かうために、スペインの新幹線ことAVE(Alta Velocidad Espana)に乗り込み、まずは乗換地のマドリードへ向かう。おおよそ2時間半の乗車時間で、110ユーロという若者には少し痛手くらいの交通費である点では日本の東京-大阪間とも同様に感じられる点が多い。

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Sants駅の電光掲示板は、少し空港のような雰囲気でもあった。


荷物を盗まれないようしっかりと抱えていると、突然の睡魔に襲われ車窓を楽しむ間も無くマドリード・Atocha駅に到着していた。乗り換えを済ませ、さらに特急か急行電車に乗って1時間ほど電車に揺られていると、トレドの駅に着いた。

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トレド駅

駅の校舎からでも、嫌と言うほどヨーロッパの歴史・美が伝わってくる。もちろん日本にも美術・文化的に優れた駅校舎はたくさんあるだろうが、個人的には何か西洋文化というものの威厳を感じた瞬間だった。

②街並み全てが。

ところが、トレドの美しさというものは、駅校舎だけで済むものではない。むしろ駅の時点で身構えておくべきであった。

駅を出た後、とりあえず荷物を置くためにホテルに向かうことにした。
そのホテルはやたらと丘の上にあるらしく、歩いてゆくのを断念し、タクシーを拾ってホテルに足を運んだ。

トレドで我々は少し奮発して、スペインの国営ホテルであるという「Parador de Toledo」(パラドール・デ・トレド)に宿泊することにしていたのだ。見晴らしの良い丘からトレドの街全体を見下ろすことができる、とんでもない・好立地の・最高な・スペシャル・ホテルだった。

もちろん宿泊する際にホテルの予約サイトの写真は見ていたが、それでもお釣りが10万くらいきたような感覚になる体験だったと思う。

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パラドールからの眺め

下手な写真じゃ伝えきれないくらいの綺麗さだった。バルセロナの夜景だって綺麗だったが、心躍るような光景とはこういうものなんだという意識をとにかく感じた。




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