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2024年におもしろかった小説7選+エッセイ
リア友が「あかりちゃんのおすすめする本はハズレがない!またおもしろいのあったら教えて」と言ってくれたのがすごく嬉しくて、彼女に向けてこの記事を書きました。ただプレッシャーも感じてます。選んだ本が彼女の心に響くといいな……!
『愛じゃないならこれは何』斜線堂有紀
ファンをストーカーしてしまったアイドルの話から始まり、「絶対私たち付き合ってる」と思っていた相手が結婚することになった話、男性2人と女性1人の仲良し3人組の話などが含まれた、恋愛短編集。
どれも一筋縄じゃいかなくておもしろい。なんでこんなにおもしろい恋愛ものが書けるんだろう?ほどよく苦いのがいいんだろうな。恋愛ものにハマったことはなかったけど、これは周りの人に勧めたくなるおもしろさでした!
『星が人を愛すことなかれ』斜線堂有紀
地下アイドルグループ:東京グレーテルで担当カラーをピンクから黒に変えて飛躍的に売れた赤羽瑠璃と、その周囲の人たちの恋愛短編集。
以下のような話が収録されています。彼氏がアイドルオタクだと知り「私よりそのアイドルの方が好きなんでしょ?それでも私はあなたを手放せない。あなたは私にとって"ちょうどいい相手"だから」と悩む女性の話。VTuberが仕事に打ち込むか、仕事と恋愛を両立させていくか悩む話。東京グレーテルの弟グループ:帝国ヘンデルの青担当に振り回される女性たちの話。思いを寄せるファンに気持ちを伝えるか悩むアイドルの話。
どれもほろ苦くて、おもしろい。作者の斜線堂有紀さんはXや地下アイドルなど現代的なものに非常にお詳しいことが伝わってくる。ご自身もXをやっておられるし、この短編集を書くに当たってさらに調べたのかもしれない。ぜひ前作『愛じゃないならこれは何』を読んでから手にとってほしい本です!
『屍人荘の殺人』今村昌弘
この作者のすごいところは見取り図を載せなくてもちゃんと建物内の様子が伝わること。「もしかすると『屍人荘の殺人』は以前マンガ版を読んだことがあるからイメージ図が頭に浮かびやすいのかも?」とも思ったが、次作『魔眼の匣の殺人』は漫画化されていないけれど、しっかり情景が浮かんでくるため、やはり「図なしなのに読者がちゃんと状況を把握できる」ところがすごい点だなと思う。内容もすごくおもしろかった。最後の展開もね……これ以上は言わないでおきます。
訂正:改めて見てみたら図、しっかりありました!すみません。
『魔眼の匣の殺人』今村昌弘
『屍人荘の殺人』の続編。葉村くんと比留子さんはある機関について探るため、未来予知の能力を持つ女性に会いに行くのだが、そこにはいるはずの住人がひとりもおらず……?
おもしろかった!図を使わずにこんなにわかりやすく建物の様子などが把握できるのはすごいと思う。見取り図がある作品ももちろん好きなんだけど、ちょくちょく見取り図ページを見返すのが少し大変なんですよね。最後の展開もめっちゃいいのでお見逃しなく。やはり最後にもうひとひねりある作品って印象に残るな~!
『殺意の集う夜』西澤保彦
おもしろくて一気読み。主人公がある屋敷で6人を弾みで殺してしまい、唯一自分が殺していない園子という女友達も死んでいた。主人公は「園子を殺した犯人が、他の全員も殺し、自分は正当防衛でその犯人を殺した」というシナリオを警察に話すことにした。そのためには、まず誰が園子を殺したのかを推理しないといけない。
最初から主人公が6人を殺したことが判明してる状態で話が進むという、初めて読む設定。どんな流れで主人公と園子がこの屋敷を訪れたのか?主人公はどのように6人を殺したのか?そしてその先の展開。けっこうハチャメチャなので、それを楽しめる人におすすめ。読書ってそのときの自分の状態によって読むスピードが変わってくるけど、この本はなぜかスラスラ読めた。文章はクセがあるのに、不思議と読みやすかった。
『七回死んだ男』西澤保彦
『殺意の集う夜』のあとがきに、西澤保彦さんの代表作はこの作品と書かれており、手に取った。主人公は自分の意図とは関係なく、月1くらいで「反復落とし穴」に陥る体質持ち。一度陥ると、同じ日を9回繰り返す。ある正月に祖父の家に、主人公を含む3つの家族が集まる。反復落とし穴の初日では殺されなかったはずの祖父が、2周目には何者かによって殺されてしまう。反復落とし穴は基本的に1周目(オリジナル周)の出来事が繰り返すため、こんなことは前代未聞。主人公は3周目から、なんとか祖父が殺されないように画策するのだが、なぜか毎回祖父は死んでしまう。
複雑な人間関係が出てくるミステリー、すごく好きなんですよね。今作も、謎もさることながら人間模様がぐちゃぐちゃで愛憎渦巻いてるところが好きでした!
『方舟』夕木春央
地下建築に閉じ込められてしまった9人。誰か1人を犠牲にすれば、他の全員が助かる。そんな状況下で殺人が起こる。当然、犯人以外の人たちは「犯人が犠牲者になるべきだ」と考える。犯人はなぜ極限状態のときに殺人を犯したのか?そして真犯人は誰なのか?
「ぜひ最後まで読んでほしい!」という感想しか言えなくて申し訳ない。読めばわかるおもしろさです。
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』花田菜々子
花田さんのエッセイのような体験記のようなもの。夫と離婚するかどうか、そして仕事を辞めるかどうかに悩んでいる矢先、Xという出会い系サイトを見つける。いつかやりたいと思っていた、「その人に合う本を紹介する」をXでやろうと思い立つ。出会い系サイトだから、もちろん恋愛を求めてやっている人もいるし、中には嫌悪感を抱くような人もいる。しかし花田さんはめげずに男女問わずたくさんの人と知り合い、そのまた友人とも知り合い、どんどん世界を広げていく。
本のタイトルがたくさん登場するので、すでに読書が大好きで、次に読む本を探している方におすすめ!私は花田さんの世界がグングン広がっていく様子を見るのが楽しかった。
最後の方にある、本に詳しい3人が、1人のお客さんに対しておすすめの本を紹介するというイベントがすごく楽しそうでした。花田さんは2024年12月現在は蟹ブックスの店主をされているそうなので、次に東京に行くときは立ち寄りたいなと思いました。
気になる本はありましたか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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