テセウスの舟
ちょっと前にドラマにもなったタイトル。
テセウスの舟
価値のある舟を後世に残すために、
舟板を新しい物に変えていくと、
全て新しいものと交換したことになり、
それは元の舟と同じといえるか?
というパラドックスだ。
確かに、造形物はどれも修繕作業がいる。
絵画もそうだし、日本の宮大工もそうだ。
絵画も宮大工も技術を後継する為に、
必要だ。
日本の伊勢神宮も、まさにこの技術の継承のためにしていると聞いたことがある。
全てが作り変わったものは、違うものか?
ところで人間も細胞分裂を繰り返し、
肌は五年から十年で、全て変わる。
髪の毛も、どんどん生えてくるので
定期的にカットするだろう。
十年前の私は、今の私ではない?
人間も、子供、成人、老人と歳を重ねる。
子供時代の写真を老人になってみると、
果たしてこれは私だろうか?
当たり前の生活の中にパラドックスは
存在しているのだ。