イベントレポート「オアハカの伝統工芸品を日本マーケットへ」~オアハカメスカルフェス@Guelaguetza(ゲラゲッツァ)~
7月20日、オアハカ州政府が主催するメスカルフェスに参加しました。
今の時期のオアハカは、Guelaguetzaという伝統的な祭りがあり、それに伴い開催されたこのフェス。メスカルだけではなく多種多様な伝統工芸品がオアハカ全土から集まりました。
Guelaguetza(ゲラゲッツァ)祭りとは
Guelaguetza(ゲラゲッツァ)は、メキシコのオアハカ州で毎年7月に開催される伝統的なお祭りです。このお祭りは、オアハカ州内の16の先住民コミュニティから来た各地域の代表が、伝統的な衣装を着て、ダンスや音楽を披露し、互いに贈り物を交換することで、地域間の絆を深め、連帯感を強化するお祭りです。
ゲラゲッツァの起源は、先住民族の古代の宗教儀式に遡ります。Zapotec(サポテカ)族とMixtec(ミステカ)族を中心に行われていた農業と雨の神々への感謝祭が元になっています。特に、Zapotecの雨の神であるCenteotl(センテオトル)に捧げられていました。スペインの植民地時代以降、カトリックの影響を受けて、キリスト教の聖人の祝祭と結びつくようになりました。
この祭りの起源は古代の先住民族の儀式にありますが、現在の形態のゲラゲツァとしては、1927年に初めて公式に開催されました。つまり、約100年にわたり続いている伝統的なお祭りです。
「オアハカの伝統工芸品を日本マーケットへ」
そんな歴史の深い伝統的なお祭りで開催されたメスカルフェスにて、「オアハカの伝統手工芸品を日本マーケットへ」というタイトルで、我々の活動や日本伝統工芸品についてプレゼンテーションをさせていただく機会を貰いました。
発表内容は、大まかにわけて3つです。
1.日本の伝統工芸品の現状
2.オアハカの伝統工芸品が日本マーケットに持つ優位性と挑戦
3.Puert@としてできること
オアハカの伝統工芸品同様、日本の伝統工芸品も後継者不足や需要の減少、高齢化により、生産額や従業員数が減っていることを踏まえ、
日本だけでなく、高齢化社会のアジアの市場ではシニア向けのビジネスの市場が伸びていて、シニアに向けた商品も多く登場していること、特に日本や韓国では単身世帯の割合が急増しており、その需要に合わせた商品も生まれていること、モノで既に溢れている日本では、エシカル、推し活、エモをキーワードとしたイミ消費という消費の仕方がトレンドであることなどを説明。
また、伝統工芸品とアニメやストーリーを掛け合わせた商品が生まれていることや、日本独特の文化を感じられる体験を売ることで伝統工芸品売れていくことなどから、オアハカの伝統工芸品も、独自の歴史文化が濃く残るため、ストーリーを交えた動画コンテンツを作ったり、文化を体験できる場を提供することで、関連するものが売れていくのではないかという考察を発表しました。
多くのオアハカ伝統工芸品は、環境に優しく、耐久性のある天然素材で作られており、生産プロセスも、エネルギーと資源を節約しているため、日本でもエシカル消費として受け入れられるのではないか、又、一つひとつ手作りであるため、他の誰とも被らない一点物として日本のお金を持つシニア層をターゲットとして売れるのではないか、というアイディアも発表しました。
Puert@として何ができるか
そんな魅力溢れるオアハカ伝統工芸品の為にPuert@ができることは何か。
1つは我々が現在進めているインキュベーションプログラムを通して、日本マーケットへのブランディングやマーケティングのお手伝いをすることです。
オアハカインキュベーションプログラムについてはこちらの記事をご確認ください↓
2つ目は日本のメキシコ大使館でオアハカフェスを開くこと。多くの人がオアハカの伝統工芸品を認知し、魅力を直接的に知ってもらえる機会を作りたい、そう考えています!
オアハカの人のリアクション
メスカルフェスでのプレゼンをうけて、オアハカの人のたくさんの質疑応答やフィードバックがあり、こちらも学びとなりました。
中国産のコピー商品や文化盗用が増え、デザインを守り続けることが難しくなっていること、日本同様オアハカも伝統工芸品に対する若者の興味が薄れてきていることなどを挙げ、日本がそれにどう対処しているかなど、有意義な質疑応答が見えました。
インダストリアルな生産方法が主流な今の時代、一つひとつ手で作ることをこれからも大事にし、先祖代々守ってきた伝統を後世まで引き継ぎたい思いを打ち明ける女性もおり、Puert@が行うインキュベーションプログラムの重要性をひしひしと感じました。
引き続き、オアハカでのインキュベーションプログラムについてはアップデートを報告していきたいと思います。
執筆:大竹