残された夏時間を、追いかけた。 7 [星野 カナタ] 2019年9月6日 23:28 干からびた田んぼが、夏の終わりを告げている気がする。等間隔に並んで刈り取られた姿が、少し寂しいような嬉しいような複雑な気持ちにさせる。気づいたら、もう夏も終わっちゃうのか。夏が嫌いだとか暑いだとか、そんなことを言ってるうちに「サヨナラ」がくるらしい。 まだ青くて、濃くて、ふわっとした白い雲が似合う空のキャンバスは、もうそろそろ見納めらしい。嫌いとはいうものの、夏の空は良いものだ。私の憂鬱な気分を吹き飛ばすチカラがある。そう、私とは真逆だから、だから好きなのだ。 電信柱の線が流れる。ずっとずっと、どこまでも。私がまだ知らない場所に、空に根をはって、彼らは生きている。矢印なんて気にしない。その堂々とした姿を恨めしい顔で見つめるけれど、凛とした姿で今日も線を描いていた。 夏の太陽は厳しい。人に例えるとしたら、マンツーマンレッスンのトレーニングジムの先生。いや、ガミガミうるさいあの人かしら。ああ、照りつける光に目眩がする。私、弱いから。そんなに見つめないで。ブラックアウトしそうな頭を下げた。悔しいから写真に収めてやろう。なんて思ってシャッターを切る。一瞬を切り取れる便利なアイテムを使っても、アナタの姿はわからないなんて、つれないね。 いいなと思ったら応援しよう! お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。 チップで応援する #写真 #毎日note #毎日更新 #詩 #創作 #ポエム #ライター #自由詩 #夏 #散文 #散文詩 #フィルム写真 7