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ドラえもんと辻村さんの化学反応『凍りのくじら』

『スロウハイツ』『かがみの孤城』の次に読むべきとネットに書いてあったので『凍りのくじら』読了しました。

<あらすじ>
「ドラえもん」の作者藤子・F・不二雄を深く敬愛する写真家の父。 彼の名を継いだ新進フォトグラファー、芦沢理帆子の高校時代を追う。 学校と、飲み友達と、元彼氏と、病床の母と、行方不明の父と。 どんな相手にも合わせてしまう、合わせられてしまう理帆子は、自分を取り巻く個性に名前を与えていく。

1章ごとにドラえもんの道具が章タイトルになっていて、
ドラえもんの道具に絡めた人物像や、「スコシ・○○」に当てはめた登場人物の人柄のネーミングセンスがいちいち素敵です。

スコシ・不安、スコシ・腐敗、スコシ・不在、スコシ・不足…
どれもスコシづつ私にも当てはまっていると思う。

理帆子は自分のことを周りとは一定の距離を作っていて、「孤独だ」と言っていたけれど、ストーカー気質の元カレに立ち向かってくれる友だちがいることは全然孤独ではない。

そんな理帆子に声をかけた少年、別所。
彼がキーマンなんだろうなとは思っていたけど、そういう展開か。
今回も辻村さんワールドにはまりました。

ドラえもんの映画やアニメをちゃんと見ている人ならより楽しめると思います。
のび太を信頼してこその「どくさいスイッチ」のストーリー。
こんなドラえもんの見方をしている人ほかにいるのかな。

すごく昔に読んだ『ぼくのメジャースプーン』に出てくるあの子も少しだけ本作にも出てきました。

次は『冷たい校舎の時は止まる』にチャレンジです。

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