書籍『ライディング・フリ-ダム 嵐の中をかけぬけて 』
パム・M. ライアン Pam M. Ryan (著) こだま ともこ (翻訳) 藤田 新策 (イラスト)
出版社 ポプラ社
発売日 2001/12/1
単行本 177ページ
STORY
19世紀、アメリカ。
孤児院で育った12歳の少女シャーロット・ダーキー・パークハーストは、自らの意思の自由(人生)を守るため、理不尽な仕打ちを強いる孤児院を脱走する。
そして名前を変えて男装し、当時は女性が就くことが許されていなかった職業である駅馬車の御者となり、その名を轟かせてゆく。
レビュー
1868年11月3日、アメリカ合衆国において初めて投票を行った実在の女性の生涯を元に執筆された、疾走する「勇気」と「挑戦」の物語。
女性がアメリカ合衆国の連邦選挙委員会によって選挙権を認められるようになる52年前に、サンタクルス群の選挙人名簿に(男性として)登録された女性が存在していたなんて、全く知りませんでした。
本書、161ページ14行目~163ページ1行目にかけての文章に、胸が燃えるように熱くなり。
ラスト2行には、涙がとめどなく溢れました。
巻末の「作者のことば」に記されている情報によると、「フリップ(鞭)」や「エヒュー(聖書に登場する人物。馬を素晴らしい勢いで疾走させた)」の異名をとるほどに活躍した「独眼チャーリー」が亡くなった時、人々は初めて、チャーリーが女性であった事を知ったそうです。
そしてある新聞記事は以下のように記したとのこと……
「女性は男性と同じに働けないし、投票することもできない」
これからは、そんなことをいう者は、ひとりも居なくなるだろう
アートワーク
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