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映画『FIVE SEASONS ガーデン・オブ・ピート・アウドルフ』
2017年/製作国:アメリカ/上映時間:75分 ドキュメンタリー
原題 Five Seasons: The Gardens of Piet Oudolf
予告編(日本版)
予告編(海外版)
レビュー
本作はガーデナー、ピート・アウドルフの「思考プロセス」や「ヨーロッパ&アメリカ等における仕事」を紹介しつつ、秋の庭に始まり、秋の庭に終わる。
ピート・アウドルフの設計する庭は、清廉でありながら力強さを兼ね備え、幸せに満ちていながらも厳かな響きを発し、観る者に祈りを齎す。
選び抜かれ、適切に配置された植物たちは、光を浴びて繊細優美に世界を色付けしつつ、風にそよぎ、雨に打たれ、葉擦れの音を響かせながら、鳥や虫、風や雨と共に、美しいリズムとハーモニーを奏でる。
また時には、その色彩とフォルム、生命力をもってして、空間の一部を占有、破壊し、その存在を強烈なまでに誇示する。
しかしながら、季節や天候、雲の流れや空の色、光や風、鳥や虫たちとの関わりにより無限に変化するその表情は、観る者の想像力と感性を限りなく刺激し、大いに楽しませ、時に哀愁を伴いながらも優しく包みこみ、その心と体とを安らぎに満ちた場所へと、穏やかに導いてゆく。
ピート・アウドルフの庭がそのような癒しを人々に齎すのは、彼が移りゆく命の流れを愛し、忍び寄る老いと死の足音の中にさえ、美の本質を見出すことが出来るからに違いない。
そしてそれゆえに彼の庭においては、生命がより確かな光を纏い、その輝きを増す。
自然の乏しい大都市に生活していると、自らの内面ばかりに目を向けてしまっている自分に、ふと、気付くことがある。
そんな時、ピート・アウドルフの庭は、外へと目を向けることの楽しみと安らぎを、私にそっと思い出させてくれる。
植物達のように力強く、密やかに、そっと・・・
ピート・アウドルフ 公式HP
おまけ動画
『オールシーズン美しい庭』翻訳書籍
ピート・アウドルフ(Piet Oudolf) 著 ヘンク・ヘリッツェン(Henk Gerritsen) 著 田辺 沙知 訳
思っていたよりもサイズが小さくて、そこが若干不満でした。
でもしかし、初の翻訳本。嬉しい限りです。
※かなり実用的な内容となっており、大きさも含め、美しい庭を愛でる感じではありません。
美しい庭の写真を愛でたい方は、洋書がおすすめです。
その他
●「piet oudolf gardens」にて検索すると、色々見れたり、知れたりします。
●余談
庭の設計図が絵画の域に達しており(「配色」含め)とても美しく、何度見てもウットリ・・・