映画『黒衣の刺客』
2015年/製作国:中国/上映時間:108分
原題 聶隱娘 刺客/THE ASSASSIN
監督 ホウ・シャオシェン
予告編(日本版)
予告編(海外版)
STORY
唐代の中国。ある日、13年前に女道士に預けられた隱娘が両親の元へと戻る。
美しく成長した彼女はしかし、暗殺者として育て上げられていた。
標的は、暴君の呼び声高い田委安。ただ、田委安と隱娘には、幼き日に許嫁として定められていた過去があった・・・
レビュー
「情」を捨てきることの出来ない女性の刺客を描いた、美しき武侠映画。
ストーリーは意外と単純なのですけれども、表現が詩的であるため、観る人によっては理解し難いかもしれません。
また予告編を観ると、アクションシーン満載に見えますけれども、アクションシーンはオマケ程度ゆえ、悪しからず。
それよりも自然の美しさ。そして煌びやかな室内装飾や風に揺れる間仕切り布や衣装。役者の佇まいや「間」。光、炎、風、花、水の表情。等、匂い立つ詩情にて観る者を作品世界へと誘い、贅沢、且つ静謐な時を齎してくれます。
特に武侠小説を好む人にとっては全編に渡り、たまらない映像の連続ではないかと思います。
また、監督が台湾育ちであることから、「金庸」よりも「古龍」寄りの世界観と感じました。
切り裂くは、人の命か、この世の闇か
情捨てきれぬ刺客の道に、光は射すか
追い求めるはただひとつ、人の温もり