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(詩)17-18-19
暑さだけが残ったこの季節も
夕方には優しい風が吹き出すね
ベランダに椅子を引っ張り出し
少し早めに酔ってしまおう
グラスに注いだビールをぼんやり眺め
泡と液体の狭間に
ゆらめいている甘い思い出
痺れた頭の上には
ゼリーのような月
大人なんて言われてから
3回目の10年が終わる
経験なんて荷物は
たいした重みもなく
今はただ
ミントティーみたいな
匂いの夜に包まれているよ
彼方の公園では季節外
Rockbound(詩)
17歳ののどかな秋に
音楽室で打ちのめされた
インスタントなステージと
力任せのドラミング
たどたどしいギターのリフ
全く聞こえないボーカル
行き先が決まった
生き方が決まった
ギターを振り回し
声を枯らして
ロックンロールは止まらない
止まらない、止まってくれるな
誰にも止めさせない
シャンペンもキャビアも
一通り浴びてみた
甘っとろいセリフだって
何百回も吐いた
ベットの中で女は言う
元に
Same old song(詩)
メロディ 心の奥に落ちていく
リズム 心が波打つ
生意気だったあの頃
抱きしめられた気分がした
あの声 あのメロディ
喜びに湧いた日も 別れの悲しさも
いつもそばで 鳴っていたよ
いつか 忘れ去られても
僅かに 残っているだろう
枯れそうな花に
水をあげるように
想いは また芽生えていくよ
誰かに守られている時も 独り彷徨う時も
いつもそばに 寄り添っていたよ
メロディ 心の奥に落ちて
骨折ブルース(歌入り)
今日も杖をつき 街を歩く
ふらつきながら 街を歩く
使える足は 減ってしまい
かかる手間だけ 増えていく
トロトロ歩けば 舌打ちされて
オロオロしながら 道を渡る
体はこわばり あちこち痛み
途方に暮れながら 独り歩く
愛しいあの娘がいたのなら
肩を貸してくれるのかな?
代わってあげたいと
抱きしめてくれるのかな?
今日も杖をつき 街を歩く
ふらつきながら 街を歩く
疲れた身体を横たえて
あ もっとみる
情熱の日々がやってきた
今年もこの季節がやってきた
心は軽やかになり、胸は開かれ
よろこびが溢れ出し
ソーダ水のような空を満たしていく
そんな中で
夏が終わる頃になると思うんだ
情熱の日々はいつだって
胸を締め付けるんだ
汗と涙をない交ぜにして
ぼくを追い込んでいく
誘惑と孤独ををない交ぜにして
ぼくを切なくさせる
陽が落ちて 酔っていることにも気付かず
名前さえ知らない女に身を委ね
火照が冷めない身体と欲望を
貪
詩 One more gin
One more gin
ちょっとくらい羽目外して
ジンをもう一杯もらおう
朝になったら 古ぼけたソファーで
静かに眠ろう
小利口ぶった奴らは言うよ
あいつは要領悪いだけ
だけども俺にはわかるのさ
お前の優しさを
ちょっとくらい羽目外して
ジンをもう一杯もらおう
朝になったら古ぼけたソファーで
静かに眠ろう
あいつに惚れてしまうことが
悪いことだとは思わない
後悔してしまう前に
素直になっ
Swamp song(key=D)
よろよろになった太陽が海に消えても
昼間の熱は一向に消えない
虫たちは諦めたように泣いている
月は水面にぼんやりと浮かんでいる
粘るような汗は拭っても流れ
今朝、なじられた時の言葉が消えていく
心の傷も やがてふやけて
同調圧力から解放される
少し濁った水の中に
クラゲのように漂っているようだ
ほんの一生だけ
悩んだふりでもしよう
飲みに出かけようと思ったが
酔って人の話を聞くことが面倒で