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人の縁はおいくらですか?

人の縁はお金で買えない価値だという。
強ち間違っていないと思う。
けれど人の縁を手放す事と引き換えに幾ら儲ける事が出来るのだろう。
今回は善意から、或いは好意で金銭を支払ったが故に人を駄目にした事例、というか主に元彼のことを書こうと思う。


その前に何故これを書こうかと思ったかという事を書く。


私は現在彼氏と遠距離恋愛をしている。
私は一人暮らしだが、彼氏は実家住まいで、しかも仕事が週6日もあるものだから、私が彼の地元まで行き、ホテルに泊まったりする他ない。それにはそれなりにお金がかかるものだ。

彼氏は前職を辞めてから数ヶ月働けなかった期間があって、その期間の生活費を親に借りたり、税金を滞納したりしていた。
怪我や病気など、仕方ない理由としても支払いを待ってもらえない理由としては、実家暮らしではあるけれど、基本的に私のような例が稀なだけであって母子家庭なんてどこも余裕がなくて当然なのだ。実際高卒で働いている理由がそれなのだから、詳しくは知らないけど、多分、結構生活がカツカツなのだ。

この前、初任給の明細が出て来たと、見せてくれた。
某運送会社だったが、手取りで12万ちょっと。
ネット上では見て知ってはいた、だけど実際目の当たりにすると衝撃的だ。
私はというと、ゴミクズなりに大学まで出てしまい、初任給では一応手取り18万ぐらいあった人間なので、でもそれでも都会の一人暮らしでは貯金も難しいような感覚があった。
毎日毎日働いても、それしかもらえない。そんな現実を目の当たりにした。ワーキングプア、という域に片足突っ込み掛けていると思った。

毎日働いて、掛け持ちして、週6日も働いていて、私には真似の出来ない事だからえらいと思う。
だけど私よりも生活が苦しそうだ。
それをどうにか出来ないだろうか。
最初、私は滞納分をクリア出来れば引っ越せると聞いていたために、ならもうその分ぐらいは、私が払ってしまおうか?と、思ったりもした。
だけど過去にそのような善意なのか甘やかしなのかわからないけどとにかく私がお金を出した事例に於いて、良い結果になった事が一度もない。特に元彼が酷かった。

だから同じ事を繰り返さない為に私は彼氏の転職をあくまでもサポートという形で手伝う事にした。例えば好条件の求人を見つけてくるとかね。
結果だけ言うと、面接には行ったが、落ちた。
最初だし仕方ないよ、と言ったけどそうこう言ってる間に世間にはコロナが流行ってしまった。このご時世新しいバイト先が見つかっただけでも奇跡的かもしれない。

株式の世界は一部でバブルが起きているし私はバリュー投資が好きなので今はどちらかと言えば買い増しをしていたりする。この辺は割愛する。
でも世間的には大不況、ヒト、カネ、モノが停滞するとその分だけ経済は死んでしまう。血液がまわらなければ死んでしまうのに似ている。
まあ更地になった場所には逆に新しい木が生えるものなので、私は楽観視しているけどそれは私が最低限生きていける余裕があるから言えることで、彼氏のような人々は仕事先が営業停止、になっただけで詰む。
実際、私のバイト先は営業停止になり、彼氏のバイト先は時間短縮になった。
私は暇なので兎に角ネットで1円でも稼げるような事を試している。結果は察しだけどやらないよりはいいのだ。

先日、政府から10万円の給付の話があった。彼氏はこれを税金の返済に充てると言った。それぐらい余裕がない。
彼は彼なりに、不要なものをフリマで売って親から借りたお金を返す事に専念をしている。
実際私と遊ぶ以外に娯楽らしい娯楽に全くお金を使っていないので、これ以上責める事なんてあってはいけないのだ。

でも実際問題、会うのには前述した通り、お金が要る。
最初の方こそ、折半していたけど、借りたお金がある事や、それを返さないと私の家に来るだけなのに同棲も出来ないこと、そんな問題が発生して、ちょこちょこ私が多めに払うようにはしていた。

それを友達に言うと、大体駄目だって言われる。
友達はみんな年上の人間と付き合っており、デート費用は全額彼氏持ちみたいなのが多く、私のようなパターンは私しか例がないのだ。
歳上なのだからと思う節はあるけれど、多くは望まないから一人の社会人として、一人の男性として付き合ってほしいとは思っている。

だからそれをこのままずっと続けて行くのは難しい。

優しさ、と、甘やかし、は似て非なるもの。
生活がそこまで困窮しているとなると、色々と助けてあげたくもなったりする。
だけどそれは本人が問題を解決する能力を奪ってしまうのではないか、そう思う。

だからお金がなくて会えない、という理由に対して、私は、それなら仕方ないね、と言うしかできないのだ。

それに対して私は今度は自分と戦わないといけない。もやもやするだとか、寂しいだとか。
私がお金を出せば済むはずなのに、とか。お金を出してもいい理由を探してたりもする。でも駄目だ。頭ではわかっている。

私が21歳の時、私は大学生で、メイド喫茶で働いていて、生活費も学費も全部実家が出して自分で稼いだお金は全部洋服に消えていった。そういうことがどれだけ恵まれているか、わからなかったわけではないけれど、同じ歳で明日の生活費にさえ困るなんていう現実に直面して改めて色々考えさせられたんだ。


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元彼の話


最初は善意からだった。

「新しいギター買っちゃってローンがキツいから遊びに行けないかも…」

元彼はそういうような事を言った。

私は

「それなら私がお金出すよ!」

と、私の奢りで焼肉を食べにいった(元彼は焼肉が好きだった)

今にして思えば、これが間違いだった。

次第に

「新しいエフェクター買っちゃって」

から始まり

「今月のローン支払い足りないからお金貸して欲しい」

と、現生の要求になり

「スピード違反した…3万6千円も持ってない…もう遊べない…」

と、私は10年間無事故無違反なのに何故か違反金を払わされる事になり

「お金を落とした。今日のスノボーの費用は全部お前もちな。あといくらかカンパして」
     
と、感謝さえされなくなった。


しかも、私以外の女には遊ぶお金を使っていたのだから、本当死ねば良いのにと思った。

その間に私は50万ぐらいする機材を貢いでいて、本当に馬鹿だなって思った。


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同じサークルの彼女の話


その当時、私にはとても仲の良いCちゃん、というような友達がいた。
家も近く、元彼に浮気されたばかりの私の話を親身になって聞いてくれ、或いは解決策や相手への復讐の手伝いなど、色んなことを助けてくれた。とても優しく、同じサークルであることが、とても楽しかった。

ある日Cちゃんはいった。

「親の借金を肩代わりさせられた。来週までに30万払わないと家を追い出される。恥を承知で頼む、借用書も書く。だからお金を貸して欲しい」

私は流石にそんな大金を持っていなかった。
だから自分が今持っていたお金、5万円を貸すことにした。

Cちゃんは

「来月になったら市の助成金が使えるからそうしたらすぐ返すね!」

そう、言った。

待てども
待てども
待てども
連絡はなく
サークルには来る彼女
問いただすも、

「今忙しくて」
「元彼にストーカーされていて家に帰れない」
「次会ったら返す!」

というものの、一向に進展はない。

その間に彼女は遠征してどこへ行くとかそういう話をSNSに書いていた。
返せない理由があるならせめてそれを話して欲しかった。

だから、信頼していたサークルの先輩に相談した。

「それは大変!私の方からも言ってみるね!」

そう、親身になってくれた。


返済期限から4ヶ月が過ぎたある日、
いい加減に理由を話すか返すかしてほしいと詰めより、話し合いをすることになった。
サシで会う予定だったのに何故か同席している先輩。

話し合いが始まると先輩は豹変して私を罵詈雑言の嵐で罵った。
私は訳がわからなさ過ぎて豆鉄砲を喰らった鳩のような顔をしていたと思う。
それはとりあえず無視してCちゃんの話を聞く。

返そうと思ったけど私と連絡がつかなかったとか言っていたけど、返事をしなかったのはあなたではないか…と思った。
お金のことだからあまり強く言いたくなくて4ヶ月も待ってしまったが。
先輩は何を吹き込まれたらあーなってしまうのか、私はこの時初めて洗脳というものを見た気がする。

Cちゃんは泣いていた。泣きたいのはこっちだ。

お金は帰って来た。

でもサークル内にあることないこと吹き込まれて私は創始メンバーでありながら退部することになった。

なんかもう面倒だ。
そう思った。


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14年親友だった彼女の話


14年来の友人が結婚式をすることになった。
小学生の頃からよく遊び、中学高校とお互い苦しい時に相談に乗ってくれたり、なんなら直接的に解決してくれたり、何かと恩のある友人だった。

21歳で、新卒1年目の旦那とデキ婚した。
幸か不幸か、旦那は都内インフラ大手の勤務。
なんと新卒1年目で住宅ローンを組んだ。
彼女の家は生活保護で、金銭的に苦労して来たことは知っている。旦那さんも母子家庭で苦労して国公立大を卒業したと聞いた。
偉いとは思ったけど
いきなり家を買ったことに正直驚きを隠せなかった。

そんな中での結婚式。
お姫様思考の彼女は
盛大な披露宴がしたい、と500万円もするプランを契約したらしい。
私は、やめておけと言ったけど当然聞く耳持たなかった。

彼女の準備段階での相談に散々乗った。
度々出て来たワードが
ご祝儀が2万以下なら赤字だから最低3万は欲しいな!
というワード。

私はご祝儀はお祝いの気持ちを包むもの、金額を指定するなら会費制にしたほうがいいとアドバイスしたけど
「普通の人なら3万包む!」「会費制は祝われてる気がしなくて嫌!」
との事で結局そのまま準備を進める事になった。ちなみにこの時私も参列者の大半も学生です。

ある日、その彼女と別の友達と3人で遊んだ。
事情を知らないその友達は、かなりブラックなところに勤めており生活がカツカツ。
だから予め、
「今の職場給料少なくて…ご祝儀は15000円しか出せないけど、ごめんね」
そう伝えていた。
友達が帰ったあと彼女は
「15000円とか社会人としてありえない!」
と憤慨していた。

その子には結局招待状を送らなかった。

かくして前日。
私はネイルサロンで爪を整えていたところ、意識朦朧としてしまいそのまま病院へ行くとインフルエンザA型の診断。
新婦の友達は妊婦で、式場には多くの人も集まる。
だから診断書を添えて、ごめんなさいと謝り、欠席の連絡をした。

「大丈夫だよ!お大事に!」

と明るく返ってきた事だけが救いだった。


後日。
新居へ片道2時間かけて挨拶に行った。
2万弱程度かけお祝いの品を用意した。
終始和やかに話して、結婚式の写真も見せてもらった。
私たちの友達10人はいたはずなのに2人しか来てなかったのが気掛かりだった。

そしてその日、家に帰ると

何故か、SNSをブロックされていた。

間違いかなと思ってLINEをすると

「あなたのような非常識な人とは付き合えません、旦那の実家も言ってる」

みたいな事を言われた。

あー。
やっぱ、現金が欲しかったんやー。
私のお祝いの気持ちとか
どうでもよかったんだね。
14年も友達やってて
2万円だって大学生の懐から出すのはしんどかったけど。
なんか
疲れたわ。
もうこの先、いいわ。

そう思って

「ならそんな非常識な人との付き合いはやめたほうがいいね!お元気で!」

と返し

私たちの14年間の友情は呆気なく終わった。


なんか、どうでも良くなった。


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良かれと思った事が裏目に出た。
良かれと思っていても想いは伝わらない。
其れを踏みにじる人達がいる。
そうさせてしまったのは私なのかな。
お金を出さなければこうはならなかったのかな。

わからないけれど

それ以降はもう一切合切人にお金を貸していない。
この話は彼氏も知っているから私にお金を出させようとはしない。

だけど、
私なら解決出来るのに
それを見過ごしておくのは、もやもやする。
情けは人の為ならずとかいうけど
その通りだと思うよ。

過度な善意は人を駄目にするのかもしれない。


お金の扱いには、気を付けましょう。


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