6冊目 11の秘密 ラスト・メッセージ
ポプラブッククラブ2021年12月の本。今回もとある文庫本という素敵なおまけがありましたが、それはまた別の記事として書きたいと思います。私はこれで利用しはじめて5か月目ですが、「ポプラブッククラブはホントに月1,500円で利用させてもらっていいんでしょうか…」と思うほどお得感をつくづく感じています。というわけでいつも通り極力ネタバレしないように、色々紹介できればと思います。
本作は私がめったに読まないアンソロジーでしかも書下ろし。こんな出会いもブッククラブならでは。すごく新鮮でした。余韻を味わう前にどんどん次のストーリーを読んでしまいましたので、また改めて読み返して楽しもうと思っています。
本の情報
11の秘密 ラスト・メッセージ
著者:アミの会(仮)
大崎梢・近藤史恵・篠田真由美・柴田よしき・永嶋恵美・新津きよみ
福田和代・松尾由美・松村比呂美・光原百合・矢崎存美
発行所:ポプラ社 ISBN:978-4-591-17218-6
装画:日下明 装幀:岡本歌織(next door design)
ラスト・メッセージ
この言葉を見て、直感はやっぱり「遺言」かなと思っていましたが、もちろんこの本で楽しめるのはそれだけではありません。出会いがあれば別れがある、それは必ずしも死に別れるものとは限らないのです。一期一会とはよく聞く言葉ですが、「この瞬間が最後になるのかも」と思えば色々考えさせられました。
本作品を読んでいくにつれ、まるで「あなたが最後に伝えたい言葉は?」「大切な誰かに大切な言葉を伝え忘れていませんか?」と問われているようでした。「誰に」「何を」伝えたいのか。「今目の前にいる人へ伝えることをためらってしまっては後悔するかもしれない、今の気持ちを大切にしよう」そんな風に思えるラスト・メッセージを11人の作家さんが綴ってくれた素敵な作品だと思います。
秘密
もう一つの魅力はタイトルにあるように「秘密」です。メッセージのストーリーにはそれぞれ秘密があるので、その謎めいた部分でライトなミステリー感もあって楽しめる部分です。短編だけにすぐ答えはわかってしまうのですが、大切なメッセージというテーマなのに必要以上に重苦しくならないのもそのせいないのかもしれませんし、謎めいた秘密というのががそれぞれの作品の魅力を増しているのではないかとも思います。<誰かに伝えたい>言葉にはその理由があり、ドラマがあるものですよね。
作家さんとの出会い
目次を見て、名前は知っているな…と思ったぐらい著名な方々なのに、読むのは初めての作家さんばかりでどこか恥ずかしいというか申し訳ないというか、そんな気持ちでした。
でも、これも何かの縁なのかもしれません。これを機に1人1冊読んでみるのもいいかもしれないと思っています。ただ、11冊選ぼうと思って本屋さんに行ったら、何を買ったらいいのか悩んでしまって、どれだけ滞在してしまうのか・・・と想像すると恐ろしいですね。誰か作家さん11人11冊を選書してくれればそんな不安を感じることもないのでしょうが、本屋さんに行く楽しみがなくなるもどうかと思ってしまう自分もいます…
というわけで誰か11人の作家さんのオススメ作品を1冊でいいので紹介してくれませんか?
装幀のこと
今回、ポプラブッククラブ恒例の包装紙を開いた後「わっ、豪華!」と思ったのが最初の印象。素敵な装丁でした。
マルチメディア化のこと
本作みたいなテーマはをやはり大切にしていただきたいので、たくさんの人に見てもらうためにショートドラマ化して欲しいなと思います。俳優の方が演じられるTVドラマになると本が売れそうだなとか思いますし、ラジオドラマやCDドラマのように声優さんが演じる音声だけの作品の方にしてもらうと、聞く人が自分で映像を想像できていいかもしれないなと思います。
各タイトル
最後にそれぞれのストーリーのタイトルだけ紹介を。どれか1タイトルだけでも、ちょっと気になるな~と思った方はぜひ本作品を手にとってみてはいかがでしょうか。盛りだくさんですが、1作品30ページ程度なので、隙間時間に読書される方にもおすすめです。