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「パラドックス・メン」感想
アメリカ帝国と盗賊の対立から、宇宙へ飛び出し、時間をも超える壮大さ。決闘と奴隷制の復活、月や太陽にまで足を運ぶ高度な科学と、過去と未来の混ざり合った世界観は巧妙で、魅力的。
用語やプロットが少々難解、複雑で、一読した後熟考せなばならなかったため、ラストのカタルシスは少なかったのが残念だった。これは純粋に、私の力不足だろう。
これから挑戦する読者には、焦らず彼らの会話を丁寧に読み解いていくことをお勧めしたい。きっと、挑発的で魅力あふれるガジェットが、沢山詰め込まれているはずだから。
ちなみに本作では、奴隷制度の復活したアメリカが描かれている。本作が発表されたのは後書きによると1953年。アメリカ合衆国で、長きにわたり続いてきた奴隷制が、終わりを告げたのとほぼ同時期である。
その時代の転換点において、保守と革新両派閥の入り混じる世相を反映したのが、本作の魅力的な世界観であると考えられるのではなかろうか。
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