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空中日記 118|格闘技のロゴスとレンマ
1月14日(火)
午前の執筆4ポモが終了。物足りないけど、一旦ここでとめる。 釣りはしばらく中止だろうか。日々の連続性が途切れてしまう。
1月15日(水)
朝、4ポモで組んだ執筆ルーティンをこなしてもまだ書きたかったので、1ポモを追加。それで推敲とはいえかなり直しているわけで、11,000字を生産できていた。原稿用紙で27枚。すばらしい。原稿用紙換算で数えると、50枚以上という卒論の規定を思い出して、そのころと比べたらずいぶんと書けるようになっている。散文を書くことになれはじめている感じ。しかし、本一冊に書いたものをまとめるというのは、あらためてすごい作業だ。
午後、イオの目やにがひどいと連絡を受けて、病院に行くために迎えにゆく。お昼寝後、目やにで目がふさがってしまい、パニックで大泣きだったんです、とのこと。それはこわいよなあ。園で撮ったという写真を小さなコンデジのモニターで見せてくれ、それをiPhoneで撮影して診察に持っていくことにする。入れ子のjpeg。いつもの美魔女先生で、診察室に入るだけでイオはたくさん泣く。長期記憶が発達して、ここはなにかさせられる場所、と記憶しているようだ。アデノウイルス検査は陰性だが、眼のそれは眼科に行って専用キットでないと確定させられないとのこと。目薬だけもらって帰宅。
通院と、一駅となりの病院に通院、処方箋を出して薬をもらう。なんてことのない作業だが、病児と一緒だとこれだけで数時間かかりぐったりする。これを無償の愛からなるお世話ではなく、労働と考えないと自分の体をケアできないな、と思うも、この読み替えがぼくは著しくへただ。
1月16日(木)
朝、じゅんちゃんが保育園に連れて行くも、38℃出て即効帰宅。38℃以上は翌日の登園見送りのルールなので、この時点で明日のお休みが決まる。今年度最後の授業。ちょっとゲームような進行をしてみたが、1年間を通した授業は長編のRPGのようである。テーマがあって、伝えたいことがあって、それを半期で14コマ、年間で28コマの講義とワークによって体験する。28個、ステージなり、ダンジョンなり、クエストがあるかんじ。そう思えば、授業外に学生と食事をして語らったりする時間は、たしかにサブクエ感がある。
意図をしっかり説明して、例年よりさらに突っ込んだ視点から講評する。インファイトは相手もだが、こちらにも緊張感がある。自分の書いたものと自分の内面が分けられない年頃のひとたちでもあるから、それだけ慎重になるし、慎重すぎるくらいでちょうどいいものだと思ってる。
学生たちはテスト期間なのでわかれ、新宿へ。ええいとヨドバシカメラに行き、lofree flow liteを買ってしまう。いいんだよ、いいんだよと言い聞かせるようにしながら。駅地下の神座で卵ラーメンを食べながら、ライナーのチケットを手配。ゆったり帰ってこれを書いているが、打鍵感がここちよくて、いつまでもタイプしていたい気分。学生たちとはじめる読書会のために、Disicordにサーバを立てて、チャンネルを整備。
イオ、ヘルメットをかぶりうれしそうに木馬を揺らす。
フォトジンをつくろうとしていて、お風呂でタイトルを考えていた。インスタでは「#光の標本」というのをつけているが、これを本のタイトルや展示のタイトルにするのはちょっと違うと思う。「風景がやってくる」とかいいかもしれない。
今日読んだ本
・平野啓一郎『小説の読み方』
・アニー・ディラード『本を書く』
読むことと書くことは、けっこう同じだ。どっちも学生に読んでほしい。
1月17日(金)
保育園に連れて行くも、38℃の熱で速攻電話がきて振り出しに戻る。思えばここから長い戦いがはじまった……。午前午後でお世話を分担することに。それで午前に執筆。4ポモで10,000字、25枚いけた。いいぞいいぞ。あたらしいキーボードとスタンディングデスクのおかげ。 完全に波に乗ってきた。この2つの新しく導入した機材で、脳をモニターの中にジャックインさせれられている。
しかしなぜこれだけ集中が切れ、自己検閲ばかりでなかなか前に進まなかった執筆が、一気に変わったのだろうか。子どものころ自室で勉強してると30分も経たずに、リビングに戻っておやつを食べたり母とおしゃべりしてた。それを集中力のない話として、家族の中でよく笑い話として出てくるけど、あれじつはポモドーロの原型だったのでは?
イオ、わからない=「わかない」といっている気がする。先生=「しぇしぇ」。夜、ハリネズミのふわふわのぬいぐるみのしっぽにニューブロックの穴を入れる遊び。
1月18日(土)
昨日の夜、複数のLLMと一緒にまだ決まらない「あたらしい本」のネーミング会議。でも自分で出した案がやっぱりいいよね。「やっぱりいいよね」を確認する壁打ち相手としてかれらは最高である。自分の中からは出なかった突飛なフレーズが、スパークしてあたらしいものを引いてくる感じもある。飛び出す、とか、生まれるとかではなく、引いてくる、って感じ。
1月19日(日)
午前、タリーズで執筆。尊師スタイルまったく問題なし。ずっと書いてたい がすぐトイレにも行きたくなる。カフェで作業しているといつもそうなる。なぜだろうか。そのまま同じ施設内のブックオフで伊坂幸太郎『砂漠』を買う。今年度最後の課題に出した書評で、学生が取り上げていたもの。課題がとても優秀だったのもあり、読んでみたくなった。伊坂作品はほとんど読んできてないので、新鮮。
午後お世話をしながら、こまめにUFC311を見る。イリーの試合がすごかった! ライトヘビー級とは思えない動き。キレと揺らぎ。解説のTKもいっていたが集中力がすごいのだろう。試合後のインタビューでも、山での暮らしとメディテーションの重要性を語っていたイリー。こういう戦い方でかつと、ロゴスに対してレンマが勝ったように感じられて、それも心地がよい
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