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大局を見るために捨てなければいけないもの

綱挙網疏(こうきょもうそ)
→ 巨悪を挙げるためには、末節の小さな悪は見逃す。

大きな成果を出すためには、大局を見なければいけない。

そうなると、いちいち小さなところを気にしていてはいけない。

それは、巨悪を挙げる場合であっても同様で末節の小さな悪を1つずつ追いかけていても仕方がないということである。

この感覚は経営にも通ずるものがあると思っている。

経営者として目指すべき姿

経営者という立場を名乗る以上は、できるだけ母体の大きな組織や企業を動かしたいと思うのが筋というものだ。

というのも、そもそもそれくらいの野心がなければ経営者だと大きな顔をして言わない方がいいと思っている。

少なからず、私はそのポジションでやってきたという自負があるし、その部分については今も不変である。

まだまだ結果を出せていない状況であることは素直に認めるが、かといって野心がなくなっているとは誰にも言わせない。

どれだけ小さくても、その牙をなくしてしまっては周りについてきてくれている人たちに対して失礼だ。

そんな人は人の上に立つべきではない。

そして、大局を見るという意識がなければ、そうそうにそのポジションから離れた方がいい。

そのためには当然、スピード重視という概念が伴わないといけないのだが、このスピード重視の概念も、ただただはやいだけではいけない。

間違ったスピード重視の概念

とにかく、スピードがはやいことは重要だ。

これは紛れもない事実なのだが、スピード重視を意識する際にやってはいけないことがあると思っている。

それは、全てを最初から外注してしまうということである。

もちろん、そうすればスピートを買うことはできるのだが、自社の強みというか、なにを軸にするのかが見えてきづらくなるのである。

つまり、まずは自分でやってみる、自分たちでやってみるというマインドを持つことが重要だということである。

ある程度、自分でやってみて感覚を掴まなければ、マネジメントができない。

要するに、指示が出せない状況に陥ってしまっては物事が進まなくなるので、一通りやってみてから自分以外の人たちを動かすことをやった方がいいというわけだ。

その後に内製化していくために採用することや外注して一気にスピードを上げていくことも選択肢の1つとして持っておけばいいというのが持論である。

というのも、スピード重視を意識しすぎると、組織は自ずと崩壊するという経験が何度もある。

核となる部分を持つことは統率するためには非常に重要だという理由は、自分でやってみることでどれだけ時間がかかるか、コストがかかるか、なんとなく把握することができるからである。

その経験を一度でもいいからしておくことで指示を出すことができるようになるし、物差しができるので、嘘をつかれるということが圧倒的に減る。

それは、嘘の報告を受けたときに簡単に見破ることができるからである。

スピード重視を実現するためには、まずは自分でやってみて簡潔でいいので手本を見せる必要があるというわけだ。

細かい部分を見ないことと大局を見ることの違い

それから、大局を見るということを意識すると、細かい部分を見ないことだと勘違いする人がいる。

これは全然間違っていて、大局を見ている人ほど実は細かい部分を見ている。

全体的にはザックリとしているかもしれないが、細かい部分まで気にする場合が多いということだ。

それは、その人に戦略があって、そのとおりに事を運ぶためには、緻密な計算が必要になるからである。

となると、こんな細かいところどうでもいいじゃないかと思っている部分にまで口を出してくる人は、実は細部まで計算をしている人なのかもしれないと思った方がいい。

歴史に名を残してきた策士ほど、細かいところにこだわっていて、凡人には理解されない思考をしていたりするものだ。

そして、策士ほど、どこを起点にすることが重要なのかをよく知っているものだ。

大きなことを成し遂げるためには、小さなことを気にする必要などない。

けれども、それは細かい部分をないがしろにするということとは全く異なるということをしっかり理解しておくべきである。

大局を見るために犠牲にするもの

大局を見るための感覚は、とにかく経験によって身につけていかなければいけないことだ。

そのためには、他の人と同じ行動をしていてはいけない。

なぜ私がこんなにも偉そうに言い切っているのかには理由がある。

それは、そういう場所で貴重な人生の時間を費やして、しっかりと結果を出してきたという自負があるからである。

初めて社長というポジションに就いたとき、アルバイトを2名ほど採用し、五反田の10坪あるかないような階段しかない雑居ビルの5階に電話回線を引くところがスタート地点だった。

電話回線ってどうやって引くのかすら知らなかった私は、NTTに電話することから組織をつくっていった。

当時は25〜26歳くらいだったと思うので、もう15年以上前のことになる。

そこからも無知だった私は、とにかくいろんな困難に遭遇する。

その都度、心が折れそうになるのだが、それでも自分に負けたくないという強い想いから、何度も歯を食いしばり、とにかく必死にその日その日を過ごしていた。

正直、当時は先のことを考える余裕などなかった。

くり返しになるが、ただただ負けたくないという強い想いが私の原動力だった。

無知が故にできないのであれば、時間を犠牲にしてできるようになるしかない。

そのときの経験が今に生きていることは間違いないのである。

大局の大きさの変化

最初は小さなことしかできない。

それは当たり前だし、実際に大きなことができるとか、期待されていない。

できたらラッキーくらいに思われていることがほとんどだし、仮にそうではないという経営者や上長がいる組織だったら、すぐにでも抜け出した方がいいだろう。

大局の大きさというのは、自分のいるステージによって当然大きさが異なるからである。

小さなことでもたくさんできるようになると、人の上に立つことができるようになる。

そうなると、自分自身が動く部分と人を動かす部分の両軸で物事が考えられるようになるというわけだ。

人によっては最初から全てを外注して自分は指示を出すだけというマネジメントやディレクションを行う人もいるだろう。

ただ、私はこのマネジメントやディレクションの方法では、どこかで行き詰まるというか、本物にはなれないと結論づけている。

まずは自分でやってみる、自分たちでやってみるというマインドが備わっていなければ、ピボットもできないし、スピード重視を実現することも難しいだろう。

指標がないし、想いが軽くなる部分が出てくるので、そうなると自分より、自分たちより強い想いのある企業や組織が現れたときに勝てないのである。

大局が見れるような策士になりたければ、より大きな大局を見ることができるように自分のステージをどんどん変えていかなければならないというわけだ。

まとめ

スタートアップで働くということは地肩が強くなるというメリットがある。

ただし、そこには自分自身が成長しようという意識がなければ意味がないことは大前提としてある。

心の底から大手企業に入りたいという夢や希望があるのであれば止めるつもりはさらさらないが、実はそこまで本気で思っていないのであれば、スタートアップでキャリアを積むことを本当にオススメする。

とはいえ、勢いのあるスタートアップでなければいけない。

全然ダメな頭でっかちの経営者もたくさんいるので、そういった人に無駄な時間を割く必要などない。

特に地方にはエセ経営者が多い。

転職を考えている人がいたら、参考になったという話を必ず1つはできる自信があるので、たまたまこのブログを読んだという人はいつでも連絡してくれればいい。

とりわけ、広島に住んでいたり、広島に戻りたいと思っていたり、広島で働いてみたいと思っている人は大歓迎だ。

私、植田振一郎がしっかりとお相手をさせていただこう。


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株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。