UGCという欠かせないマーケティングの指標
モノやサービスが受け入れられるとき、つまり売れるときというのは、あらゆるものが溶け合って1つになっている様子だと置き換えてもいいだろう。
結局、運やタイミングに左右されるところが大きいというのが、私の結論なのだが、仕掛けは重要だ。
それを現代風にいうと、マーケティングとかブランディングという。
その指標として、最近特に注目されていて、個人的にも注目しているのが、UGCだ。
何度か紹介しているので、なんとなく記憶にある人もいるだとうが、UGCとはどういったものなのか改めてまとめておく。
今さら聞けないUGCってなぁに?
まず、UGCとは、User Generated Content(ユーザ生成コンテンツ)の略称のことだ。
簡単にいうと、企業側ではなく消費者であるユーザによって制作や発信されるコンテンツのことをいう。
つまり、ユーザが自発的に発信する情報のことで、ECサイトの商品レビューやSNSにアップされた写真や動画、ツイートなどに対してユーザが投稿するといったものだ。
具体的に下記のような行動をとったことがある人も多いのではないだろうか。
飲食店を探すときに行ったことのある人のレビューを参考にする
家電を買うときに買った人のレビューを参考にする
本を買うときに買った人のレビューを参考にする
旅行先を調べるときに観光地のレビューを参考にする
転職先を探すときに企業のレビューを参考にする
共通しているのは、レビューを参考にするというところだということは、すぐに気づいたと思うが、日常で頻繁に触れている情報や頼りにしている情報源がUGCだということになる。
これだけ生活に密接しているUGCが重要な指数になるということは、十分に理解できるのではないだろうか。
また、UGCという指標を知っておく上で、IGCとCGMという指標と混同しないようにしておく必要もある。
IGCとは、Influencer Generated Content(インフルエンサー生成コンテンツ)の略称のことをいう。
簡単にいうと、インフルエンサーによって作られる商品やサービス紹介のコンテンツのことだ。
ユーザが自発的に投稿するUGCと異なり、ほとんどの場合が企業側からの依頼で制作されているというのがポイントだ。
それから、CGMとは、Consumer Generated Media(カスタマー生成メディア)の略称のことをいう。
簡単にいうと、ユーザによって投稿される情報で形成されるWebサービスのことだ。
具体的には、質問を投げたら回答してもらえるFAQサイト、料理のレシピを投稿するサイト、デザイナーがアップするイラスト投稿サイトなどが当てはまる。
UGCと特に混同しやすいのが、このCGMと指標だと思うが、CGMとはユーザの投稿によって成り立つメディアであるというところが大きな違いだ。
要するに、UGCはユーザによって生み出されたコンテンツそのものであるのに対し、CGMはそのコンテンツにより生成されるメディアだということを覚えておくといいだろう。
UGCが注目されるようになった背景
それでは、なぜUGCが注目されるようになったのか。
よく理由として挙げられるのが、人と情報と接することが難しくなってきているということなのだが、これだけ聞くといまいちピンとこない人も多いだろう。
専門的な言い回しをするならは、インプレッションの獲得競争が激しくなっているということに尽きるだろう。
インプレッションとは、オンライン広告でウェブサイトに掲載される広告の効果を表す指標の1つだと認識しておけばいい。
デジタルマーケティングの世界では、寡占化するプラットフォーマーの上で広告出稿やコンテンツを配信するため、各プラットフォームのアルゴリズム変動や入札競争の影響を受ける。
例えば、SEOではGoogleのアルゴリズム変動によって検索順位が下落したり、Instagramを含むFacebookではエッジランクと呼ばれるアルゴリズムによってオーガニック投稿のリーチ獲得は難しくなった。
リスティング広告では、クエリによっては入札競争の激化しCPAが高騰しているというのが現状だ。
つまり、SNSがマーケティングやブランディングに欠かせない時代に、プラットフォーム依存から限られた枠を巡る競争とその枠のロジックの影響を受けるようになっているというわけだ。
そんなプラットフォーム依存からの脱却という意味でも、UGCによるアテンション獲得がより有効な手段となっているというわけだ。
そして、このUGCが注目されるようになったのが最近だと思っている人も多いが、2016年時点のデータで下記のようなものがある。
まず、83%のユーザが、友人がInstagramで特定ブランドについて投稿しているのを見て、そのブランドをチェックする可能性が高くなると回答している。
また、30%のユーザが、Instagramで初めて見つけたものを購入した経験があると回答している。
加えて、Instagram経由のECサイト訪問者は、平均滞在時間が約192秒で、Facebook、Pinterest、Twitterなどの他のSNSチャネルからの訪問者よりも長いという結果が出ている。
このあたりから、以前は掲示板やレビューサイトの投稿自体がUGCだったのが、SNSに変遷していった経緯がわかるだろう。
レビューサイトのUGCは、そのレビューが掲載されているページを閲覧しにいく必要があったのが、SNS上のUGCはフォロワーや拡散によって多くの人にも情報伝搬されるようになったというわけだ。
UGCがマーケティングで重要な理由
少々、難しい言い回しになってしまったかもしれないが、要するに、企業によって作られたコンテンツにユーザは興味を示さなくなっているということだ。
とある、1,000人の消費者を対象に行った調査によると、77%の人がプロによって撮影された写真よりもユーザによって撮影された写真を見たいと回答している。
これが全てというか、ユーザは実際に購入した服を来てSNSに投稿した写真や、実際に食べた料理の写真やレビューなど、顧客によって発信されたコンテンツを信頼する傾向にあるということだ。
企業側、つまりブランド側からの発信だけにならないよう、ユーザの声を拾っていくことに重きを置くようになっているのである。
そこで、注目されているのが、UGCマーケティングで、UGCの創出、収集、活用を通じて、ユーザに価値ある情報を届け、売上につなげる取り組みのことをいう。
とはいえ、そんなUGCマーケティングの施策を実行するには、自社の状況をしっかり把握する必要がある。
そもそも世の中にUGCが生成されているのか
自社で活用できるよう収集できているか
UGCの活用はできているが、本当に売上につながっているのか
その根本である、上述した、UGCの創出、収集、活用のどのフェーズにいるのかを見極めてから、UGCマーケティングを実行していく時代だ。
UGCマーケティングのフロー
何度もくり返しになるが、UGCは根本的にユーザが自発的に作成するものであるため、企業側はユーザがより話題にしやすい環境を作ることが重要になる。
その上で、下記のフローを実行していこう。
商品やサービスのハッシュタグを用意する
ユーザが投稿するときに使いやすい商品やサービスを表したハッシュタグを用意して、あらかじめ公式アカウントの投稿などで提示する。
UGCを公式アカウントでリポストおよびリツイートする
UGCを公式アカウントで取り上げることで投稿したユーザに喜ばれるという仕掛けが必要だ。
また、投稿を見て購入やサービス体験につながったユーザによって新たなUGC創出にも繋がる可能性が増える。
シェアしたくなる体験づくり
インパクトが強いユーザ体験を演出することも重要だ。
開封体験やオフラインでのイベントなどもときには有効になるだろう。
キャンペーンの実施
期間限定で特定のハッシュタグをつけて投稿した人に特典をつけるといった、キャンペーンを実施は有効だ。
定期的にキャンペーンを打つことを心がけよう。
UGCを創出した後は収集しなければいけない。
その方法は下記のようなものがある
メールで収集
アナログに商品を購入してくれた人やサービス利用者に、レビュー依頼メールを送ることは案外重要だ。
できることなら、レビューだけではなく、購入した商品や利用時の写真の添付もお願いするといいだろう。
サイトで収集
再訪者向けに、サイトを準備してサイト上で書き込めるようにすることで、収集率を上げることが期待できる。
SNSで収集
現在の時代はこの収集方法が最良だろう。
ハッシュタグやメンションからアップされている写真や動画を簡単に見つけることができる。
ただし、著作権はアップロードしたユーザにあるので、そこは注意が必要だ。
UGCを創出して収集することができたら、活用しなければ意味がない。
ということで、UGCをどのように活用していけばいいのか、具体例を挙げていこう。
サイトへの掲載
収集したレビューや写真や動画のUGCをサイトに掲載することで、検討しているユーザの判断材料となり、購入意欲を高める効果が期待できる。
広告への活用
SNSや検索プラットフォームにどういった広告を打っていけばいいのかの判断材料にする。
商品やサービスの改善
ユーザから収集されたリアルな声に商品やカスタマーサービスとして改善すべきヒントがたくさんあることは言うまでもないだろう。
まとめ
UGCというマーケティングに欠かせない指標についてまとめてみたが、いかがだろうか。
あなたの商品やサービスを世に拡めたいのであれば、このUGCをベースにマーケティングやブランディングを考えることをオススメする。
stak, Inc. もこのUGCを独自に実践しているので、施策と結果については随時公開していこうと思っているので、是非参考にしてもらいたい。
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株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。