君に伝えたい言葉 椿
この一カ月半、ずっと言葉にしろと言われ続けてきた。
何がダメなのか、何に心を動かされたのか、言葉にしろと言われ続けた。
思ったことを誰かに伝わるような言葉にすることはとても難しい
そんなことを思った一カ月半だった
話は変わって、僕は今回役者だけでなく、楽曲制作もしていた、挿入歌として歌う歌を作った。
何度も何度もメロディーを書き変えて、どんなメロディーにしていいか分からなくなったとき、とあるミュージシャンの言葉を思い出した。
メロディーは伝えたい言葉を伝える為の補助的要素だ
と言う言葉だ。
その言葉を思い出した僕は、役作りのメモとして台本のうらに書き殴っていた言葉達にそのままメロディーをつけた。
僕が思う彼の人生をそのまま歌詞にした。
昨日の通し稽古の最中、彼の歌で涙を流している人の顔が視界に入った。
そして、僕は
あぁ、やっと僕の言葉が誰かに伝わったんだと思って、ちょっぴり嬉しかった。
もっともっといろんな人に僕達の言葉が伝わるように。
今日は最後の稽古だ。