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『わかっている』つもりになっていないか
人がいかに自分の思考や無意識に気づけていないかの例をお話したいと思います。
『わかっている』つもりになっている例です。
知人Aの星読みをした時のことです。
Aは過去に死んでしまいたくなるような辛い経験をしたけれど、自分自身と向き合い、今では自分の心のままに、自由で満足な生活を送っているようでした。
ヘリオセントリックの星読みは、自分が魂のままに心のままに生きられていると、盤面(ホロスコープ)が現す自分の才能や性質を問題なく使いこなすことができるので、しっくりきます。
現在心のままに生きられているAは、
ありのままのの自分を解説されているだけなので、
「そうそう、それで?」
「その通りだけど、それがどうしたというのか。」
そんな感じでした。
でも、心のままに生きているAにも気づきがありました。
それは、みんな同じだと思い込んでいたということ。
星読みをしていると大半の方が、
「みんなそうじゃないんですか?」とおっしゃいます。
違うんです、一人ひとり。
自分があたりまえに感じている感覚、物事の捉え方や理解の仕方。
それはみんな違うんです。
どんなに似ている人でも、身近のお互い共感できる人でも、
微妙に違ったり、実際は大きく違っていたりする。
だから、自分が感じていることを他の人も同じように感じている。
同じように理解している。
そう思い込んでいるのなら、それは違うのだということをまずは知って欲しいです。
Aは心のままに生きているので、自分の気持ちがブレることはないし、人の言葉に惑わされたりするようなことも少ないそう。
軸がしっかりしている。
土台も安定している。
だから強風でも倒れず揺らがない。
でも、それが強すぎると逆に周りがわからなくなる。
周りをわかろうとする必要はありません。
ただ、自分と違うと否定、批判してしまうことになりかねません。
Aは常々、
「人はそれぞれ違った個性があるから、それを大切にするべき。」
と周りに話していたそうです。
でも、人はそれぞれ違うと言っておきながら、実はその基準が自分になっていたことに気づきました。
自分が出来ることは、同じ年代の人であれば皆が出来る。
自分が経験して得た心の強さを、年代が同じ人なら皆同じように持っている。
自分が感じていることは、周りも同じように感じている。
『個性は大切』とわかっているつもりで、人にもそれを主張していた。
でも実は、個性を一番受け入れなければならないのは自分であった。
これは大きな気づきです。
この気づきを得たことで、人の受け入れ方が違ってきます。
「なぜこんなことが出来ないの?」
「どうしてこの人はこんなことを言うの?」
「あの人は何をしているんだろう…」
日常でそう思ってしまうようなことも、スッと受け止めて流すことが出来るようになります。
でもね、もったいなかったんです。
別れ際に、
「Aは心のままに生きられていて、才能をうまく使えているね。」
と伝えたら、
「じゃあ私には、(星読みは)必要なかったかな。」
と言いました。
せっかく大きな気づきがあったのに、もう忘れてしまったのか…
そうではありません。
自分がその気づきを受け入れるのが怖いのです。
もしもその気づきを受け入れてしまったら、今までの自分が間違っていたことを受け入れることになります。
「個性は大事。個性を大切にする。」
そう言っていた自分が、人の個性を自分基準で捉えていた。
それなのに、個性を大切にと説いていた。
星読みでの思い込みの気づきを認めることは、自分の間違いを認めることになる。
Aにはまだその勇気がないようでした。
すぐには気づきを受け止められないかもしれません。
受け止めるのに時間はかかってもいいのです。
ただ、それに気づいた。
それこそが大切なのです。
気づいた事実だけは消して欲しくないと思います。