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退職あるある言いたい。

今までまったく気にも留めてなかった人が夢に出てきてさ、
急に気になっちゃうことってあるよな。
名前あんのかな、あの現象。

こないだ、あるアイドルが夢に出てきたんすよ。

今までまったく興味なかったのに、
気が付けば、Youtubeの履歴が彼女のサムネで埋め尽くされて。

それまでは、
PIVOT、ReHacQ、NewsPicksと、
港区前のめり若手ラインナップだったのに。

もし俺が急に死んでFireTVの履歴を調べ上げられたら、
死因は悶絶死になるのだろうな。
なるわけねえよな。

ってわけで、
「アイドルは誰と結婚するのが正解なのか?」
という極めて民度の低い社会課題について考えた結果、
「年収400万円前後の工場労働者」
という結論に到達したのだった。
達成感はない。

--

そんな夢のある工場勤務も、残すところ3日。

退職が決まった途端、
職場の舞台裏から色々な声が聞こえてくるようになった。
これは退職あるあるなのだろうか。

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◆退職願望のある人から話しかけられる

「実は私も…」という人が、2,3人話しかけてきた。

そういう人たちからは、
まず、退職をうらやましがられる。

私はすでに退職手続きを終えている。
彼らは、まだ退職の意思すら表沙汰にしていない。
圧倒的な身分の壁。
謎のマウント感。

少し前の私がそうだったから、とてもよく分かる。
彼らは退職願望を誰かに話したくてしょうがないのだ。

先日声をかけてきた先輩は、来月で退職が決まったという。

「お疲れさんでした」
お互いそんな空気感で、少しだけ愚痴った。

◆時間の流れが遅すぎる

最終出勤まであと3日。
この一週間を振り返ると、
1日が信じられないくらい長かった。

今も「まだ3日もあるのか…」と絶望している。

そのくせ、休日が去るのは速いときている。
ふざけ倒して砕け散れ。

長く感じる理由は、
退職後の開放感が待ち遠しいからだろう。
来週の遠足や文化祭と一緒だ。

仕事中は、機械になったつもりで手を動かしている。
再現性に欠ける分、心のない人間は機械以下だ。

◆最終日の去り際に悩む

最終日、いかにしれっと職場から消え去るかに悩んでいる。
短期間での退職なので気まずいのだ。

いつの間にかいなくなっていた、
と思われるのが理想なのだが。

オフィスワークであれば、
周りと言葉を交わさずに去るのは難しいかもしれないが、
工場はみんな動き回っているから、ばれずに消えることは十分可能だ。
みんな普段からしれっと退勤している。

最大の問題は、
タイムカードが上層部の座席付近に設置されていることだ。
必ず顔を見られる位置にある。
構造上の重大な欠陥である。

しかも最終日は退勤を打刻したのち、
社員証を総務に返却するという難関が待ち受けている。

その様子を少し離れたところで見ている上層部を無視して、
しれっと立ち去れるだろうか。
無理ゲーすぎる。

「どうせもう二度と会わないし」の精神で全部乗り切るしかない。

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心を軽くするために退職するのに、
最後の最後が一番神経をすり減らす。
それが”逃げの退職”というものだ。

最後のひと踏ん張りで気持ちが切れて、
体調不良を理由に欠勤する者も多いという。
わたしもそれは考えた。

でも、途中で逃げ出して飲む酒は、
果たして美味いだろうか?

ボロボロになって、足を引きずってでも、最後まで走り切ってこそ、
キンキンに冷えたビールが美味いんじゃないかと思うんだな。

そう、わたしは美味い酒を飲むために、
最後まで働くと決めたのだ。

くだらないこと。
でも人生を豊かにする大切なこと。

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