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転職7か月目、期待されてコーヒーをこぼす。

食品製造に転職して7か月。
順調といえば順調だが、削られてもいる。

クレームが多いのに、
部署内で議論や情報共有が一切ない。
上層部への日々の報告もないという。
チームとして終わっている。

その異常性について上層部の前で吐き出したところ、
改革に向けていろいろ期待され始めた。

ありがたいことだが、面倒くさい。
出しゃばったなあ。
やっぱ仕事なんてするもんじゃない。

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ふだんから、得体の知れない息苦しさを感じているのは、何のせいだ。
まあ大方、仕事のせい。
辞めりゃすぐ治るやつ。

ADHDの不注意優勢型、
という症状のいくつかに当てはまるのだけれど、
子どもの頃からそうだったかというと、ちょっと覚えていない。

ひとは病名を欲しがる。
自分の不都合な性質を病気のせいにできるから。

モノの置き場所を忘れたり、
人の話を聴いていなかったり、
コーヒーカップを倒したり、

世界中で日々何百万件と起きている、
ありふれたうっかりに、私は病名をつけたい。

--

何かこう、
「偉い人たちに認められた感じに満足してしまっている自分」
みたいな。

「いや、満足してもよくね?」と、もう一人の自分。

そう調子に乗ってブイブイ言わせるくらいの心臓なら、
たぶん息苦しくないのだろうけど。
もうそんな年でもないしなあ。

順調といえば順調だが、削られてもいる。
というのは、そういうことだ。

役割が見つかった喜びと、
自分に務まるだろうかという不安と、
単純なストレス。

現場に入れば一番下っ端で、
作業員としてはポンコツだけど、
裏で権力者と繋がっている、
只野仁みたいな。

そう思えば、なんかちょっと気分もアガってくる。
スパイ感があっていいね。

でもコーヒーをこぼしている自分。
だせえ病だな、お前は。


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