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「達成感に溺れる」と起こる仕事の遅延・対策

必死に仕事しても終わらない、みんな頑張ってるのに遅延する。そんなときはこれを疑いましょう。
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せきもとです。ゲーム制作を20年弱、主にディレクターとして大小のプロジェクトを担当してきました。その中で培った知見を元にまとめてます。

今回は、仕事をしていると陥りやすい「達成感に溺れる」ことの解説と対策についてまとめています。

これは誰にでも起こりやすい現象で、特にプロジェクトの予算や人員の都合上、仕事が詰め込まれていたり、複数の役割をこなさなければならない場合には高頻度で起こると思います。(過去の体験や他者の例を踏まえると)

「達成感に溺れた状態」の説明および対策をまとめます。

【結論】

◆達成感に溺れる:
小さいタスクばかりこなして達成感を得て、重要性の高い大きなタスクの着手が疎かになること
◆対策:
・就業時間内での本来やるべきタスクの消化率を明確化する。
・自ら処理しなくても結果が大差ないタスクは、積極的に別担当に振り分ける。
・本来おこなうべきタスクを消化するためだけの、他人に邪魔されない時間を確保する。

【1】達成感に溺れるとはどのような状態か

まず、タスクには大小様々なものがあります。

◆小さいタスク:
主に、結果が及ぼす効果が小 & 時間や費用のコストが小。重要性が低い。
簡単な資料作成やデータ集めといった制作業務、細かな確認依頼や判断依頼への対応、コピーを取ったり何かを運んだりする雑務などが該当するイメージ(自分がやらなくてもいいタスクが含まれる)
*この手のタスクのほうが数が多くなりがちです。
◆大きいタスク:
主に、結果が及ぼす効果が大 & 時間や費用のコストが小~大。重要性が高い。
担当する資料やデータの作成、取引先との交渉、プロジェクトの方針の判断、最終納品物の確認、利害関係者と調整など。
(自分がやるべきタスク)

どんなタスクでも、それをを消化すると達成感や満足度を感じて快楽に繋がります。
ここで、小さいタスクばかりを優先して日に何件もこなしていると、本来やるべき大きいタスクがほとんど終わっていないのにも関わらず、「仕事をしっかりこなした!」といったような満足感が得られます。

大変な仕事を行わなくても達成感が得られるとなると、大抵はその状態を好ましく思い、意識せずとも、小さいタスクをばかりやって大きいタスクが疎かになる事が多いです。

これを「達成感に溺れた」状態と定義してます。

人間は、達成感を感じると脳内で快楽ホルモンと呼ばれるドーパミンが分泌されるため、タスクを済ませたときに達成感を得るのを止める、というのはまず無理だと思いますし、不健全と思います。
達成感が仕事の推進力にも繋がるため、タスクをコントロールして、うまく使っていくのが望ましいと思います。


(どの会社にもいると思うのですが、細かい作業ばかりやって仕事してる感を出す人や、「日中は自分の仕事ができないから就業時間後にやる!」みたいなことを得意げにいって、ダラダラ残業する人。こういう人は「達成感に溺れている」と思います。)

【2】対策方法

◆就業時間内での本来やるべきタスクの消化率を明らかにする。
まずは客観的な事実として、やるべきタスクがどの程度終わっているのかを明確にするのが大事です。

感覚的には仕事をしているはずなのに、タスクの消化率が50%を下回るなど極端に低い場合には、この問題が起きているので是正に取り組むのが重要です。

◆自ら処理しなくても結果が大差ないタスクは、積極的に別担当に振り分ける。
自分の担当として発生した業務のうち、「自らやらねば致命的な結果を及ぼすもの」はそこまで多くないものです。
これらの作業は積極的に任せていくのが良いです。
楽に達成感を得られることもあり、自分でやりたい気持ちもあるんですが、ぐっと我慢して任せていきましょう。
(プロジェクトの都合などで任せる相手が居ない、という場合もあるかもしれませんが、なるべく任せられる相手を作りましょう…)


◆本来おこなうべきタスクを消化するためだけの、他人に邪魔されない時間を確保する。
確認や判断、雑務などの他人からお願いされる系のタスクは、物理的に会議室にこもったり、席を移動するなどして、まず受け付けない状況を作るのが楽です。
「自分の作業をするので声をかけないでください」と予め周囲に宣言しておくのも役立ちます。
その状態で、タスクの整理をして効果大・コスト低のタスクから着手していきます。

*効果とコストを基準とするタスクの分類方法は別途まとめます。


【最後に】

この状態が続けば続くほど仕事やプロジェクトは望んだ結果とは異なる状況に陥ってしまいます。
定期的に状況を客観的に把握するのが良いと思います!



最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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