フェアトレードコインで目指している未来
2022年11月6日、フェアトレードデー垂井が開催されました。
この素敵な青空の下、本当に素敵なイベントでした!
出店者のみなさんも、来場者のみなさんも、本当に想い溢れる方々が集まりました!
昨年に引き続き、フェアトレードコインとして協賛をさせていただき、全店舗でフェアトレードコインでの決済ができる環境をつくっています。
今年は、高校生のブースでフェアトレードの話を聞くと、200円のポイントのプレゼントという企画になりました。
フェアトレードはお買いもので世界の生産地を応援する活動。だから、「聞いた話をお買いものに繋げるお手伝い」としてフェアトレードコインを配布しています。
この原資は、フェアトレードコインで払うときに乗せていただいたギフトという気持ちを受け取り、それを循環させています。
フェアトレードコインは、どんなビジネスなんですか?という質問について。
今日もいろいろな方から、会場でフェアトレードコインについて聞かれました。
そうですよね、そういう質問になりますよね・・・😅
一言でいうと儲かりませんし、利益がたくさん出るとも思っていません。
むしろ、持ち出しのほうが多いですし、それが回収できる/しようととも思っていません。
そんな儲けない話をすればするほど、きっと裏があるのだろうと色々と聞かれるのですが・・・まあ、お金にまつわるビジネスの多くには、そうした裏があって当たり前なので疑われても仕方ないのですが、、、何もありません。
じゃあなぜやっているのですか?と聞かれるので、いつも話をしていることを少し綴ってみたいと思います。
フェアトレードコインの売上は?
通貨取引高の1%(税込1.1%)です。
決済手数料が5%(税込5.5%)ですから、20%に相当します。
これまでの2年の通貨取引高が480万円くらいですから、4万8千円+税というところでしょうか。
2年ですから1年で2万4千円、1ヶ月で2千円・・・という感じです。
毎月2000円・・・😂
たとえ一年で1000万円の取引高があったとしても、10万円、月に1万円に満たないことになります。
説明会も毎月実施していますし、イベントでは印刷をしたり、現地のブースでインストールや説明をするなどしています。
ホームページの運用やSNSなどの運用もしていて、どれだけ少なく見積もっても、0.5人/月くらいはかかっています。
0.5人/月のコストをペイしようとしたら、年に1億円くらいで100万円の収入、月に10万円弱の人件費がかかっても利益0という感じです。
年1億円の流通量に達するためには、相当時間がかかりそうです。😂
ちなみにプラットフォームを運営するeumoにも手数料が入っていますが、システム回収や運用に充てているので、同様に手数料で儲かるようなビジネスではありません。
イベントでの決済は今のところおおよそ20-30万円なので、2000-3000円ですから交通費にもなりません。
広告ビジネスですか?
名簿を売って商売をしたり、お金を持っている人が儲かるような仕組みが嫌で、このフェアトレードコインを運営しています。
SNSはありますが、オススメという名の広告や、記事を邪魔する広告、望まないダイレクトメールの広告なども、一切ありません。
想いをもった人が、応援したい人を応援できる、そんな純粋な仕組みを作っています。
だからそこに、お金を使えば割り込める仕組みは必要ないのです。
ちなみに、無料部分を広告代わりにして機能を制限した有料プランという仕組みもありません。
では、どんな理由でフェアトレードコインを運営しているのですか?
3つほど理由があります。
フェアトレードを応援したい
まず最初に、フェアトレードに関わる人の想いが素敵なので、応援したいということが最初の動機です。
特に、メーカーやお店の方などで、生産地と密にされている方などは、その純粋な想いを聞くたびに、僕に何が出来るだろうか?と考えさせられます。
フェアトレードをもっと広げるために、ファトレードにもっと知ってもらうために、気持ちよくフェアトレードを選んでもらえるように…そんな想いから私ができる活動の1つとして運営をしています。
起業家を応援したい
自身が起業家であり起業家の支援をしている立場として、ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)を応援したいという気持ちがあります。
社会課題解決のビジネスは、社会や生産者などへの還元が大きく利益が圧迫されがちです。広告を多大にかけられないので、経営がとても難しいものです。
そうした多くの起業家と出会い、一緒に考えて、この世界をビジネスで変えていく方法を一緒に考えたいのです。
フェアトレードがチャリティーではなくてビジネスであるということが、僕にとって大きな動機の1つでもあります。
ギフト経済圏をつくりたい
そして、応援する消費者側の意識を醸成して、社会を良くしようとしていつビジネスを応援するコミュニティの経済循環が作れないだろうかという挑戦でもあります。
お金という便利なツールのやりとりがあって良いと思いますが、お金以外の経済…譲り合い助け合いがもっとあって良いと思うのです。
そして、定価を払えば終わりということではなく、定価以上のギフトを払ったり、誰かのために寄付をしたり応援したり、ボランティアや譲りあいといった、ギフトエコノミー(経済)の割合が増えて欲しいと思います。
損得だけで計られ利益だけが追求される市場で社会的なビジネスをするのは、とっても難しいものです。
逆に、応援したい人が集まるコミュニティで、想いをとどけるビジネスができれば、幸せな経済循環が生まれると思います。
フェアトレードを応援する想いの溢れる人に、この想いが伝わるといいな、どうやったら一緒に理想の市場ができるか、そんな壮大な実験をしています。
フェアトレードコインと仲間たち
私自身はこんな想いでフェアトレードコインを運営していますが、この想いはシステムのプラットフォームであるeumoのみなさんと同じ想いです。
eumo(ユーモ)は、eudaimonia(ユーダイモニア)という持続的な幸福という意味を持つ共感コミュニティ通貨のプラットフォームです。
ユーダイモニアに対し、ヘドニアという言葉があり、「現在だけの一時的な快楽」というような意味を持っています。
ポイント還元などで煽るようなマーケティングをしているいまの市場はこのヘドニアといえます。
eumoは、「お金を幸せになるための手段」というコンセプトで運営されています。
お金の要素である「貯める機能」が、世の中の貧富の差を広げているのならば、貯めることができないように期限をつけて、腐らせています。
腐ったお金はギフトをした人に再配分されるので、応援した人が応援される仕組みになっています。
そしてこのeumoを使ったフェアトレードコインには兄弟姉妹がいて、たくさんのコミュニティや地域通貨が運営されています。
フェアトレードコインとはコンセプトや運用は異なっていますが、どれも同じ共感資本社会をつくりたいという想いの通貨なので、eumoコインファミリーなのです。
eumoコインファミリーは、非営利型株式会社eumoの経営で運営されています。
非営利型株式会社eumoは、誰か特定の株主が支配をしておらず、すべての株主が平等に1票を持ち経営をしている、ソーシャルな運営をしている会社です。
フェアトレードコインは、挑戦
これまでにたくさんの起業をし事業を作ってきましたが、フェアトレードコインで描く世界は、とても難しい挑戦のひとつです。
これは事業というより、社会システムであり、経済そのものです。
ひとつの事業で変えられることは小さいけれど、社会を変える仕組みを作ればビジネスそのものが変わっていくという可能性を信じています。
私は、より良い社会にするためのビジネス、そして共感で支えられる市場を求めて期待してくれている起業家がたくさんいることを知っています。
お金のリターンだけではない市場を可視化し、挑戦できるようなモデルや仕組みを作っていくことができれば、もっと社会を本当に変えられる起業家が増えると思っています。
フェアトレードに関わる挑戦をして来られた多くの起業家の意志を受け継ぎ、新しいフェアトレード経済圏をつくることに挑戦している、そんな想いで運営をしています。
今の社会ではお金は必要なツールだし、付き合っていかなければなりません。
でもお金の話って、ちょっと怖いし、だから怪しく感じるし、近寄りがたいところがありますよね。
そんな中で、お金のあり方を変えようとチャレンジしている人や仲間がいることをぜひ知ってもらいたいです/
考え方の難しいものではありますし、すぐに目の前で変わるものではありません。
でもこういう考え方を応援したいという人が集まって、地道ですがアクションをしていかないと社会は変わっていかないと思います。
僕らは、微力だけど、無力じゃない。
ぜひ応援よろしくお願いします。