あの作品が新潮文庫から出たんですって
今日、新潮社から届いたメールマガジンを見て、おおっと思いました。というのは、今月の新刊に梨木香歩さんの「エフェンディ滞土録」があったからです。
この作品は2002年に角川書店の書籍PR誌「本の旅人」で連載されていたもので、2004年には角川書店から単行本が刊行されました。その後、角川文庫にもなっていたのでした。
で、この作品は同時期に執筆され、同じく2004年に刊行された「家守綺譚」とリンクしてるんですよね。
何かのインタビューでは「家守綺譚」自体が当時執筆していた長編(確か「f植物園の巣穴」だったような)の息抜きとして書いていた、と語っておられた気がします。
でも、もしかしたら、「家守綺譚」が一番好きという人も多いのではないでしょうか。続編「冬虫夏草」も出ていますし。
「エフェンディ滞土録」、すごくいいんですよね。僕的には、この作品はどこか彼女のエッセイ集「春になったら苺を摘みに」と深いところでつながっている気がするのですが、どうでしょうか。
で、この作品が今改めて新潮文庫から出るというのは、何か意味があるような感じがします。この作品って、最後はみんなバラバラになってしまうじゃないですか。それは第一次世界大戦が原因なのだけれど。
で、その状況って、コロナ以降のこの世界と少し似ているような、そんな気がします。人々が世界中を行き来し、触れ合えるのは、実は当たり前のことなんかじゃないんだ、というメッセージがこの作品には込められていたと思うのですが、それは、正に今のことでもある。
これは読み返さなきゃいけないなあ、と思いつつ、実は僕、まだ「冬虫夏草」を読んでないんですよね。持ってるんですけど。
いやー、なんか、読むなら「家守綺譚」も読み返したいし、「家守綺譚」を読んだら絶対「エフェンディ滞土録」も読み返したくなるからなあって思ってたら、ずるずるとここまで来てしまいました。いけませんね。今年こそ読む!
ということで、また明日。
おやすみなさい。