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【王の運命―歴史を変えた八日間―】歴史的子殺しといえば

韓国の歴史上、有名な父と息子の確執といえば、英祖が息子である思悼世子を米びつに閉じ込め餓死させた米びつ事件がありますね。
『王の運命―歴史を変えた八日間―』(사도)は、彼が米びつに閉じ込められてから死ぬまでの八日間を描いた映画。
とはいえ回想する形で、思悼世子が生まれてからの生い立ちも含めてふたりのすれ違いをたどっています。

実際の事件ということもあり、重く苦しい125分でした。
終盤、思悼世子の遺体の脚が折れ曲がったまま死後硬直し、納棺のためにあくせくしながらバキッと伸ばすシーン。特にきつかった。

子どもにとってなにを置いても大事な愛着形成なく、代わりに人格否定と、周囲の大人たちの陥れのシャワーを浴びて育った青年。
安息のスペースのない人生。想像するだけでこっちが狂いそうです。

米びつ事件は多くのドラマや映画のテーマになってきました。
頭はきれるが狂った息子と、そんな息子の蛮行に苦悩する英祖という描かれ方が多いなか、本作はどちらかというと英祖のほうが狂い咲きしてる描き方なのが興味深いです。

ソン・ガンホの神経質すぎるまでの厳粛さ、嫌ったらとことん嫌う極端な演技、すごい。
子役たちの〝不条理ぶつけられ顔〟もすごいし、ユ・アインの「もう全部どーでもいいよ」みたいな顔、狂人と化した顔、すごい。

ここからは余談です。
昔からこの米びつ事件(壬午士禍)に興味があり、韓国・水原市の水原華城に行ったりもしてました。ソウル市から特急に乗って40分くらいかな…1時間はしなかったような。
(ちょっとだけ韓国語がわかるので、コロナ前はしょっちゅう韓国に行ってた)

水原華城 新豊楼
水原華城 左翔門

水原華城はのちに息子の正祖が父の死を悼み墓を移し整えたお城。
米びつは、この水原華城で誰でも見ることができます。(多分レプリカ。写真なくてすみません)
この米びつの小さいこと小さいこと!
こんな箱の中に大人の男が入ってたなんてと思うほど胸が痛みました。
遺体も正常な形を保たないわけです。

ちなみに水原市は韓牛(ハヌ)が有名で、超絶品の焼肉が食べられます。
和牛よりもサッパリ肉肉しくて、アメリカやオーストラリアの牛よりは柔らかい、とりあえずテーブルをぶっ叩きたくなるほど美味いです。
また水原行きたいなあ。

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