漂泊者
誰でも一度はアウトローのような生き方に憧れるものだ
自由と孤独を志向するのは若さの特権である
自分で選んだ孤独に耐えかねて愛を求めるわがままも
また若さの特権である
自分にまとわりつく何かを振り払い
自由と解放のエネルギーは美しい
手に入れた自由はその瞬間から腐り始めることなど考えてもみず
街の喧騒が盛られたようなフルーツパフェを旨そうに食べる女の前で
戯言を口ごもり
何もない宙空を見上げる背広かけに上着をかけて
酒場で意味のない言葉がループする
望まなくても人は自由で孤独な存在だ
立ち止まっていると孤独に凍えてしまうから
どんなに辛くても歩き続ける虜囚のように
僕らは進み続ける
愛しいものの名を呼びながら
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