疾走
深夜に突然泣きたくなる
声を上げて泣きたくなる
理由は聞かないで欲しい
わからないし わかりたくもない
心が悲鳴を上げていて
身体から飛び出しそうなんだ
昔キーウェストを目指して
セブンマイルズブリッジを車で走っているとき
同じ気持ちになった
その時は窓を開けて抜けている青空に向かい
絶叫した
今の僕はやっぱり窓を開けて夜空を見上げる
街の灯りと
今日は遠いお月様
若いからだと言い訳していたあの頃
今はその感覚が自分の中に残っていたことを
少しだけ嬉しく思う
燃えかすが最後に今一度燃え盛るような
そんな風合いかもしれない
あの頃の自分と
今の自分は何にも変わっちゃいないんだ
少しだけ常識を身に付けた様なフリをして
生きていく術は覚えたかもしれない
でも僕はやっぱりまだ剥き出しの青さを持ったまま
墓場に向かって走ってる
違うのはそろそろその墓場が見え始めたことだけ