あの部屋で
その宿は普通の民宿で
その部屋で聞いたあの曲
押入れから出した布団は万年床にして
曲のことを熱く語る友の言葉を
ひとつひとつディティールまでまだ覚えてる
こんなところでこんな風に聞いた曲が
その後の人生で僕に響き続けるなんて
その時は想像もしなかった
合宿という名の青春のワンシーンが
きっと毎年繰り返されていたんだろう
こんなに大切な風景になるなんて
あの時は思わなかった
女の子のことも語り尽くした夜
男だけの部屋には
小さなラジカセで女性ボーカルが流れていた
缶ビールとピーナッツとスルメイカ
あの場所は僕らが旅立つ基地(ベース)だった
羽ばたいた僕たちは
どこまで飛び続けるのか
どこに辿り着くのか
飛びながら今朝をゆく