カードポチポチ、脳汁ダラダラ 脳から快感がしぼりだされるゲーム『Balatro』を君はもう遊んだか
Nintendo SwitchとSteamで発売されている『Balatro』を遊んでいるんですがね、これがもう気持ちいいんですよ。
ルールとしてはポーカーで、最初は頑張って役を揃えるわけです。でも、ゲームが進むと「1枚出しただけで倍率がバカになって勝てる」状況になったりします。
最初にひーこら言いながら役を考えていたのはなんだったんだ! と一瞬思うものの、ボコボコとスコアが増えていく様子がキモチイイ。出てるな、アドレナリン……。
たとえるならば、『スイカゲーム』の手軽さと運に翻弄される感覚、そして『Vampire Survivors』のギャンブルに勝って数字が増えまくる快感を合わせたような体験です。
いまのところ、僕にとって2024年の Game of the Yearです。
◆ジョーカーのおかげで「ポチポチやっているだけ」が気持ちよさに変わる
『Balatro』はカナダのインディーデベロッパー「LocalThunk」によって開発された作品で、ポーカーを題材にしたデッキ構築型ローグライトとなります。
前述のように基本はポーカーなのですが、ゲームを進めるたびにいろいろな要素が増えます。一番大きいのは、スコア倍率を増やしたり、ルールに少し変更を加える「ジョーカー」です。
ジョーカーは150種類あり、ものによってシナジーが生まれます。倍率をプラスするものだけではそこまでスコアが伸びないものの、乗算するジョーカーが手に入ったら……。それこそカード1枚をポチッとしただけで勝てるようになるわけです。
細かい部分もきちんとしており、スコア倍率が増えるときの効果音も心地よいし、ゲームスピードを速くできる設定もあるのも嬉しい。新しいカードを手に入れるときにカードパックを開けることがあるんですが、あれはゲーマー特効の演出ですね。
しかしなにより最高なのは「プレイヤーは何回かポチポチやっているだけ」ということです。
◆働き者の道化師がプレイヤーの労働を肩代わりしてくれる
デッキ構築型ローグライトの金字塔といわれる『Slay the Spire』に対し、「提示される選択肢から選ぶだけでよいのが優れている」という意見がありました。
『Balatro』も手元にあるカードを選ぶのが基本で、先に進むたびどのカードを手に入れるか限られた選択肢からチョイスする内容です。
あまりに多くの選択肢が出されると、プレイヤーはどれを選べばいいか悩む可能性も出てきます(もっとも、綿密に計画を立てられる性質が魅力のゲームもありますが)。
『Balatro』はその軽い選択を繰り返すところに特化したゲームで、本当にとりあえず手元にあるトランプでポーカーするだけ。うまくいけば、むしろ複雑な役を避けるような状況にすらなります。でも気持ちいい。
とはいえ、ガチャのようにただ見てるだけでもないところも重要です。プレイ中デッキの中にどのカードが残っているか見たり、ショップでどのアイテムを買うかも考えどころであり、ほどよい悩みがあって楽しいわけです。
そこでちょっと考えれば、あとはポチポチするだけでOK。ジョーカーが勝手に仕事をしてくれて、バカスカ倍率が増えて、頭がじわ~~っと温かくなるような錯覚を覚えます。働き者の道化師ですね。
デッキ構築型ゲームとしての魅力を損なわないギリギリまでカジュアルにしたのが『Balatro』だと考えられますが、まあそんなことはどうでもいいんです。ポチポチして、ちょっとだけ悩んで、倍々になっていくスコアを眺める快感を味わう。それだけでわかりますから。
※Steam版は日本語対応です(ただしベータ版で誤訳ほどほどにあり)
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